闘病日誌ほがらかたまごの闘病生活はじめに 私ほがらかたまごには、たくさん病名や異常があります。仕事柄、最悪ですよね。しかしながら、この闘病生活が今の医師としての質を高めてくれていると思います。どんな闘病生活だったやら。 1【心臓】 心臓はとても重要な臓器である。普段、毎日何千回とビートしている心臓の筋肉のことなど、意識することはない。 しかし、ひとたびこのリズムが狂うとき、とてつもなく大きな不安が押し寄せる。 「心房細動」。それが、私がこの10年つきあってきた不整脈である。かつては、徹夜の二晩三晩へっちゃらであった。ところが、ある日、動悸がはじまった。なんだこれは??? 最初の頃は、薬が効いた。ところが、過労を強いられる時期が続いたり、個人的な悩みが続いたりして不眠になると、ちょこちょこ顔を出してくる。 以前は、病院の当直もやっていたから、すごく不安であった。どうやら睡眠不足がよくないらしい。 京都の一年は当直がなかった。にもかかわらず、7月、10月、11月と発作が起きた。一度は、翌日が講演会で、キャンセル不可能な事態でもあった。早朝、タクシーで一人病院へ行った。 京大卒の若手医師に頼んだ。「薬はあまり効かないので、カウンターショックでお願いします。」と。 カウンターショックとは、心肺蘇生でおなじみの電気ショックである。他人に、(こどもだか)かけたことはあったが、まさか自分がされるとは、夢にも思わなかった。しかし、心房細動というやつは、放っておくと、長島茂雄さんで有名になったが、血栓を作って脳梗塞を引き起こす可能性がある。 カウンターショックは、電気をかけた瞬間、体が飛び上がるような恐ろしい治療方法だ。もちろん、静脈麻酔をかけるが。 点滴から麻酔薬を投与されると、意識をなくした。 目が覚めて、看護師さんに聞いた。 「いつになったらやるんですか?」 すると、「もうサイナスですよ」と。そういえば、モニターの音が規則正しく打っている。ああ、よかった。そして30分休憩して支払いして、タクシーで帰った。 ※サイナス=正常の心臓のリズム、洞調律のこと 翌日が講演会。ぎりぎりセーフ。しかし、休んだ当日の予約の患者さんには、病院スタッフが土壇場キャンセルを連絡してくださった。 病気で休むと、ほかのみなさんに迷惑をかけたという事実が重く重くのしかかる。 そんなカウンターショックをやったあとは、胸が熱い。やけどの状態と胸の打撲がミックスされた状態である。痛い痛い。 それ以来、毎日、不整脈予防の薬を飲んでいるが、効いているのかきいていないのかは不明である。ともあれ、この一年、発作がなく、みなさまに迷惑をかけずに、数々の講演会をクリアできたことは、本当にほっとしている。 俺の心臓、なんとか、もってくれよ。やることはいっぱいあるんだから。 2 【肝臓】 研修医2年目の今頃。毎日のように宴会していたのですが、突然39度台の高熱と、発疹が襲いました。やばいな、と思いながらも2,3日は座薬を入れながら仕事をしていたのですが、血液検査をしたら、なんと肝臓の逸脱酵素が1800!肝炎だよ、おいおい。 即、入院、絶対安静。精査の結果、サイトメガロウイルスによる急性肝炎でした。特別な有効薬剤もないので、点滴と安静。 自分の勤める病棟の、個室で、「田中星児」という偽名で入院しておりました。とほほ。しかし悪夢はこれからだった。 熱があって、点滴している患者様、なのに、病室でナースコールがなって、 「せんせいー○○ちゃんが調子悪いのですぐきてください」、と逆コールされる。これじゃあ休めないよ。 点滴がらがら引っ張って、その子の病室へ向かうのでした。 教訓。入院するときは、別の病院がおすすめ。 ちなみに、アルコール性肝炎ではありません。でも、それ以来お酒の量はめっきり減りました。2ヶ月も入院していたら、欲しくなくなったようです。 毎年、春めいてくると、肝臓に思いをはせる、ほがらかたまごでした。 3 【腎臓】 高校3年の春。サッカーに明け暮れていた。ところが、4月にはいって、なんか調子が悪い。いつものキレがない。変だなあ、とおもいつつ。インターハイ県予選もベスト8。自分のシュートが入れば、というところで外した。敗退、そして引退。 翌日高校へいくと、一枚の紙が担任から渡された。今からすぐ病院へ行きなさい、と。 学校検尿で、タンパク3+、血尿3+であった。当時高校の近くの病院へ行くと、急性腎炎ということで、安静、加療が必要であった。塩分制限、食事制限をして、4週間ほどで改善した。その後も、尿タンパクは消えず、運動制限が続く。 当時、無謀にもサッカーで飯を食っていくことをあきらめていなかった私にとってはあまさに青天の霹靂であった。 ・・・俺のサッカー人生は終わったんだな。しばらく自暴自棄であった。母親に、「サッカーできないなら足を切った方がましだ!」などと無茶苦茶なことを言って困らせた。 そのご、溶血性連鎖球菌の合併症を予防するということで、20才になって扁桃腺を摘出することになる。このときの医者がまた最悪である。が、これは次回・・・・つづく。 5 【虫垂炎】 大学院のときだったか、右下腹部が激痛!!微熱。やばい。あれだよあれ。盲腸!=急性虫垂炎。 実家にいて深夜だったが、近くの総合病院へいった。するとそこの当直のバイトのドクターが大学の同級生のお姉さんで、、、そんあことはどうでもいいけど、いつもお世話になっています、○○くんの同級でほがらかたまご2と申します賀。。。。。痛いんですう。 結局、かなりかなり虫垂炎が疑わしいのだけれど、抗生物質の点滴して直しました。またまた入院だよ・・・・。 おかげで大阪での学会発表は無事終了。でも、今後、気をつけなければ。講演会に、急遽キャンセル!なんてことになったら大変大変。 注意。よい子はちゃんと手術しましょう。 6 【胃潰瘍】 忙しいと、現実逃避でブログ投稿が何故か増えてしまいます。 かつて四国の病院にいたとき、胃潰瘍になりました。仕事のストレスが強烈で、なんかおなか痛いなあ、と思っていて、歩けなくなって・・・・ 内視鏡検査(胃カメラ)をやったら見事に胃の壁に3本くらい亀裂があって出血していました。点滴、内服薬で改善しましたが。いやあ胃カメラつらいっすね。 昨年、京都でも健診でやりましたが、胃潰瘍は治っていたようで、よかったよかった。今でも、ときどきガスター飲んでますが・・・・。大丈夫かな?大丈夫だよね・・・きっと大丈夫、だと思うけど。 9 【局所麻酔中毒】けいれんの恐怖 病気シリーズはまだまだネタがつきない。 中学3年のとき、足の爪が巻き込んでしまって切ることになった。整形外科で局所麻酔を注射され、しばらく寝ていると・・・・ 突然、全身がけいれんしだした。「誰かー」「助けてー」と叫ぼうと思っても周りに誰もいない!このまま死んじゃうのか?と思っていたら、多分5分ぐらいしてけいれんが止まった。 本当にびっくりした。そのことを看護婦さんや医師に話すと、「え?本当、ときどきあるんだよねー」などとノー天気な答え。ちゃんと説明しろ! ろくな主治医に出会えなかったこの人生。 キシロカインの局所麻酔中毒、ということになります。歯医者などでの麻酔薬、要注意。 7 【メニエール病】 この度、めでたく新しい病歴が増えました。めまい、難聴などを伴う中耳の病気です。ぐるぐるとめまいがして布団からでるときが大変でした。点滴と内服薬で改善しましたが、またストレスがかかるとなるでしょうねえ・・・。 8 【心臓 その2】カテーテル・アブレーションで不整脈治療! 久しぶりの入院。またも新人攻撃をくらう、の巻 心臓カテーテル・アブレーションによる不整脈の根治療法を受けてきました。 入院は、一体何回目なのか忘れましたが、またしても、うっ! という入院となりました。 まずは、点滴採血剃毛入院ガイダンスといった、基本は、やっぱり来ました、新人さん。 確か、高山日赤で肝炎で入院したときも、新人さんが来ましたね・・・。注射されまくった悪夢。 この時期の一年目は、本当に、まだ「わかんない」 状態。 術前に、足の動脈を見つけてマジックでマーキングするときも、 「せんせい、ここですかねえ?」と 尋ねられました。 私の心の声「 俺は、今は、患者じゃ~ぼけえ てか、この病院の医者じゃないし」怒ってる 私の本当の声 「ん?そこで合ってますよ、ごめんね、わかりにくい足で・・・」ぽっと、答えてしまった。 術後、中堅が来て、導尿カテーテル(おしっこの管)を抜くときも、何の前触れもなく いきなり 引っこ抜いた! 私の本当の声「 う、あぶべし・・・(涙)」 中堅「 痛かったですか?良かったですね、患者さんの気持ちが分かって。」 私の心の声 「何を~、患者さんの痛みも分からない医者に向かっていうならともかく、おまえは俺の仕事ぶりをしっとんのか!(怒)」 私の本当の声 「・・・・そうですね、初めてやったんで、痛みがよく分かりました」と 答えてしまった。 入院中くらい、医者の目で見るなよな。一人の患者さんとして、見てくれ。それにしても。 ・・・・・つくずく 自分のキャラクターが情けない。 |