マッコウクジラの群れとぶつかったと推測
辛坊治郎さんと岩本光弘さん、無事生存し帰ってくることができ本当に良かったですね。お二人がヨットで海に出る決断は、幾多の困難危機を覚悟した上でのことと思います。間寛平さんの時もプロの友人がついていながらかなり危険な目にあっていたからです。今回の浸水事故が救助可能海域での出来事で、ほんとうに良かったですね。「この国の国民で良かった」という言葉には、壮絶な経験をした辛坊治郎さんの深い感謝の気持ちが込められていると思います。 救助要請に応じて、海上保安庁や海上自衛隊の皆さんは任務遂行に全力を注ぎ、関係機関や漁船による応援など見事な連携で、二人を無事に救出しました。海上自衛隊の救助技術の高さと、救助に使われた救難飛行艇US-2の性能の良さを改めて素晴らしいと思いました。これは世界に誇れる日本の優秀な海難救助能力を実証したものです。辛坊治郎さんらのヨット、事故の瞬間映像を公開 ニュースキャスターの辛坊治郎さんらが乗ったヨットが事故に遭った瞬間の映像が公開されました。 大海原を行く小型のヨット。ニュースキャスターの辛坊治郎さんと全盲のセーラー、岩本光弘さんが乗り込み太平洋を横断していた「エオラス号」です。順調そうに見える航海ですが、次の瞬間、ヨットが何かと衝突し、船体が大きく揺れます。 事故が起きたのは今月21日の朝。この衝突の後、船内には、すぐに海水が入ってきたといいます。救助された後の会見で辛坊さんは・・・ 「数分後にはくるぶしまで水が上がってくる、もう逃げるしかないと」(辛坊治郎さん) ヨットは一体、何とぶつかったのでしょうか。衝突の直前、ヨットの前方には黒い物体のようなものが映し出されています。岩本さんは、下から突き上げられるような音が3回したと振り返ります。 「クジラか何かが(船体を)たたいたのかなとその瞬間は思った」(岩本光弘さん) 衝突の瞬間をとらえた、この映像は海上保安庁に提出されたということです。(24日17:01)最終更新:6月25日(火)6時51分マッコウクジラの群れとぶつかったと推測今回の浸水は、原因が分かっていませんでしたが、ニュースでも大々的に報道されたとおり、ヨットに搭載されていたカメラが、何かにぶつかるまでの瞬間の映像と音を捉えていました。映像の検証で、ヨットが衝突する直前、三角形の黒い背びれのようなものが2つ以上前方に見えているので、おそらくマッコウクジラの群れとぶつかったのだろうと推測されています。いわれてみると、たしかに前方に黒い物体が浮遊して泳いでいる姿がチラチラと見えます。 運が悪かったともいえますが、船がクジラに衝突する事故は結構あるという話もあります。 マッコウクジラはオスだと体長16~18メートルぐらいあるそうで、2000メートルの深海まで潜水できることから皮膚も硬く、ぶつかれば船を破損させることは可能だそうです。鯨のような巨大生物がぶつかった場合、どれほどの衝撃になるのか、素人には計り知れません。以前にマッコークジラの群れに囲まれ、乗っていた漁船と衝突した体験のある船長のコメントは、報道によると「いきなり1頭が海中から飛び出し、私らの船とガッツ~ンガツンって衝突したんだわ。船はおよそ17メートルあるけど、そりゃーもう、ひどい衝撃だったねー。まるで潜水艦とぶつかったという感じだったね。乗組員が7人重軽傷という結果だったし、いやー、ほんとに死ぬ思いしたんだわ」。たとえ今回の事故でエオラス号が新造された完全なヨットだったとしても、破損浸水は同じ結末を迎えたかもしれませんね。二人が乗っていたヨットは、エオラス号というアメリカ製のヨットだそうで、自動操縦装置やGPS、魚群探知機、さらにはレーダーを搭載。そして、それらを管理するマルチファンクションディスプレイというハイテク機器までもが搭載されています。すごいヨットだったんですね。(頑丈そうなヨットです。ブリストルチャネルカッター28 という艇種で、クラシック・スタイル。28というのは全長28フィート(約8.4m)の意味です。)以前、タレントの間寛平さんがアースマラソンに出場した際に太平洋と大西洋を横断するのに使用したヨットだそうです。当時寛平さんが使用したものを整備して使ったようですね。このエオラス号の本体に使われている素材は、主に強化プラスチックと木材とのこと。製造元の話だと、軽くてもかなり丈夫なつくりらしいですね。でも現実には、エオラス号は沈没してしまったといいます。寛平さんがアースマラソンの時に使用したときの「エオラス号」