2021/09/12(日)12:01
藤井聡&木村盛世:『ゼロコロナという病』
■ともあれ、コロナについての現状をどう捉えることが適切なのかを
考えるために本書を手にとった。
賛否あって当然という内容で、これをどこまで「なるほど!」と読み、
その一方、「この楽観視で大丈夫なのか?」という疑問も拭えない。
■基本的にニュース以外はテレビを見ない自分なのだが、
そのテレビのニュースとて、どこまで信用すればいいのかも、
よくよく考えれば、よく分からなくなる(苦笑)。
■ともあれ、本書が言及する問題点は、
「煽りやバズりによる視聴率至上主義のマスコミ」
「煽りやバズりに便乗し、タレント化した専門家」
「無責任な政府の対応」といった辺りで、
確かに、今のニュースやワイドショーの中心ネタが、
今度はポスト菅政権の話題にもちきりなのは、
それが視聴率を稼げるから、ですね。
■まあまあ身近な問題意識としては「専門家」だった。
テレビ等に出演して「専門家」の肩書でしゃべることは、
本人にとっても優越感に浸れる幸せなこと、といった皮肉が、
本書の著者にはあると思うが、実際、
各大学のウェブサイトのトップページには、
「本学の◎◎教授が××テレビに出演」なんてことが掲載されている。
こういう風潮も「なんちゃって専門家」を増やしていくことに寄与(?)しているだろう。
■話は戻り。
本書の著者が、若者や、営業自粛を余儀なくされた方たち、を
気の毒とするのもまったく賛同できるところだった。
特に、中学から大学、大学院といった青春を謳歌すべきタイミングで
オンライン授業、部活の自粛等の犠牲を払わされている。
■ともあれ本書の著者の主張の妥当性は、専門家ではないので(苦笑)、
よく分からないが、対コロナ対策で「こうすれば大丈夫」
「ここを気を付ければオリンピックは大丈夫」といったことを、
きちんと発信しなかった関係者の責任は大きい。
まあ、普段耳や目に入ってくるコロナ関連の情報に、
少し立ち止まって考えることも大事で、
その上で、こうした本を手にしてみるのは有意義だと思う。
■何にせよ、きちんと議論すること。
責任者はきちんと責任の所在をはっきりさせて、
きちんとメッセージを発信すること。
エビデンスをきちんと見極めて、科学的に考えることが大事。
ゼロコロナという病 [ 藤井聡 ]