プルースト:『失われた時を求めて(1)』読了
失われた時を求めて(1(第1篇))■ようやくこのブログに書くことができる。実はついにプルーストの『失われた時を求めて』に着手した。まずは第1篇を読了。■とはいえ、この小説に着手したのは今回が3回目で、つまり過去に2度、3巻あたりで挫折しているのである(^_^;)。ただしこのときは、ちくま文庫の井上究一郎訳で、今回は、集英社文庫の鈴木道彦訳にした。■感想はおいおい書いていきたいが、実に興味深く第1巻を読み終えた。物語は、語り手の子供時代の回想に終始する。何があるわけでもなく、何が起こるわけでもない。にも関わらず、実に面白く読めたのは、自分でも驚いた。■これまでいくつかの文学・小説を読んできて、また、文学・小説関係の本も読んできて、プルーストに関する予備知識も入ってくると、『失われた時を求めて』の読み方が分かったような気がした。■その読み方とは、ストーリーを追わない読み方にほかならない。ひたすらディテールを読んでいく。その表現にみられる詩情がとても豊かである一方、きちんとした批評性の立場があって、それがとにかく味わい深いのである。それに、そこに語られる記憶が、おそらくその後、意味をもつであろうことは、予感できる。■とはいえ、気持ちがはやると、ついつい読み飛ばしたくなる。あるいは、疲れているときは、ついつい眠くなる(^_^;)。そんなときは、すぐに本を閉じて読むのを止めた。とにかくじっくり読めるときに、じっくり読む。そうこうして、第1篇を読み終えた次第。全巻読了まではまだまだ先のこと。ゆっくりのんびりじっくり、味わいたい。