「酒林」の不愉快な随筆たち
■妻と一緒に珍しく観光に(^_^;)。うどんを食べにこんぴらさんへ出かけたが、このブログは基本的に「本だけ」にしたいので、うどんやこんぴらさんの話題はなし(^_^;)。■こんぴらさんのある琴平町に、香川の日本酒メーカーである金陵による、「金陵の郷」というのがあって、そこの利き酒も目当てにしていた(^-^)。で、そこで無料配布されていた冊子が「酒林」だった。■随筆特集とあるので、日本酒にまつわる、いい文章にめぐり合えるかな、と思ったが、あては外れた。それどころか、文章の質の低さに呆れ、放り出してしまった。が、せっかくなのでこのブログで紹介しておこう(^_^;)。■一つ目は池●優(一部伏字)による文章。「断髪式」という文章は、味も素っ気もなく、だから何、というもので、つまらない。■二つ目は高●和●なる郷土史家のもの。文章の最初のほうで、 「〔…〕いささか首を捻ることになった。」と書いているが、なぜ首を捻ったかの説明は、26行もあとになってなされる。文章の流れを知らない人の文章だ。また筆者は、自分が問題とするイベントを実際に見に行ったわけでもないのに、推測で書き、それを批判しているのだ。まったく驚く。■ひとつ飛ばして4つ目の随筆は、日●昭●によるもの。書き出しはこうである。 「正月の祝いに、一家揃ってのむ酒に「屠蘇」がある」正月の祝いに一家揃ってのむ酒って、ほかにもあるのだろうか?文章のセンスのなさに脱力した(^_^;)。さらに文句を言ってしまえば(^_^;)、「正月の祝い「に」、一家揃ってのむ酒「に」」、ということばの響きのバランス感覚も実はセンスが悪い。■さらに5つ目の随筆。書き手は内●潤●とあり、肩書きは「歌人・エッセイスト」とある。テレビ番組で見たゴミに埋もれた老夫人について、彼女がいかに現代社会から逸脱しているのか書く。そして、 「この人にも若い頃があったのだろう。」という文章を見て、読むのを止めた。なんと冷たい文章だろう。もし書くなら、「この人にも若い頃があっただろう」と書くべきだ。今、このブログを書くに当たって、続きを読んだ。 「自分はそうではない、 私はもっと清潔だという安心感と、 ここまでは老いていないという 優越感が込み上げてくる。」と、この筆者は堂々と書く。ゴミに埋もれている老女と、「草や虫に埋もれて安心している自分」を比べて。なんとも不愉快な文章だった。■これでもまだこの冊子には、半分以上未読の随筆が残っているのだが、もはや読む気はしない。無料配布の冊子とはいえ、この不愉快な文章のオンパレードは何なのだろう。