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カテゴリ:お局真紀子の素敵な毎日☆大学編
大学生のころのこと。
部室で先輩が話していた。 「昨日、うちの下宿に新入生が入った。 お母さんと一緒にあいさつにきたあと、 もう一度、訪ねてきたんだ。」 フムフム、とみんなは聞いている。 「一人暮らしは初めてだし、いろいろと 教えてもらいたい、というので、近所の 安い食堂、コインランドリー、銭湯やら いろいろ。 なんだか不安そうだった。 自分のときは、もっと一人の生活を楽しむぞ、って 探検したり歩き回ったりしたけど、最近は そんなもんかねぇ・・・。」 自宅から通う人、下宿の人、私のように寮に入っている人、 それぞれがそれぞれの思いを持ってこの話を聞いた。 「その子、律儀に、話を聞いたあとで、手土産を 持ってきた。」 へぇ~~、感心な子だなぁ、とみんな。 「広島出身の子だったんだけど、お土産、なんだと思う?」 ほとんどみんなは「もみぢ饅頭」と答える。 私は知ったかぶりをして 「川通り餅」と叫んで、ヒンシュクを買ってしまった。 だれも知らなかったのだ。でも、おいしいのに・・・ 「全員、はずれ。 その子曰く、まんじゅう系は、最近はあまり人気がなくて、 持ってきたお菓子が最近、すごく人気があるんだそうだ。」 話を聞くと、最近、おみやげに地元の人が買うのは もみぢ饅頭よりもこちらの方が多いくらいだ、それくらい 人気がある、と言っていた。広島のお菓子で、そんなに 有名なお菓子が最近出ているとは、知らなかったな。 「持ってきた子が、自分用にはたくさん買ってある、とか いいながら、俺の部屋に来て、一緒に一個食って帰った。 よっぽど好きなんだろうな。」 「洋菓子風なんだけど、お茶にもあうし、紅茶とかにもあう。」 みんなは顔を合わせる。先輩がクイズに出すくらいだから、 少なくともみんなは知っているはずなのだろう。 「じゃ、ヒントを出すよ。 洋菓子風、であって、洋菓子じゃない。でも、和菓子とはいえない。 ここにいるみんなは絶対知ってる。」 ますますわからなくなってくる。 このメンバーに広島出身者はいないし、最近広島のおみやげを もらった記憶もない。 「その子は、『これ、モダンな和菓子なんですよ。』と言った。」 わかった!!! えっ??? だってあれは、広島のお菓子じゃない。 私:「ポエム、ですか?」 「正解!」 みんなのブーイングの声。 「だって、あれは長尾さんが松山のお菓子だって 持ってきてたじゃないですか!」 先輩は、にやりと笑って 「その子が広島出身で手土産を持ってきた、といっただけで 広島土産、とは言ってない。」 「しかし!その子は、『ポエム』が松山のお菓子だとは 知らなかった。広島銘菓だと思っていたらしい。」 「だから、俺が教えてやった。 もともと、松山の大街道で「権太」と言っていたお菓子屋の 名物お菓子だ、と。」 「俺たちが、長尾さんからいつももらっていた、あのお菓子が、 人気で、別の地域でも、その地元の銘菓だと思われるくらいに ひろがったんだねぇ。」 「松山の銘菓が、海を渡ったんだ・・・ウンウン」 ちなみに、この先輩、最近の私のブログにも登場しています。 そう、私の夫です。 ※追記 その後、この記事を読んで、権太の発祥が今治である、との ご指摘をいただきました。 が、この記事は夫の下宿先の人が愛媛のお菓子であるのに 広島の新しい銘菓だ、とポエムを紹介したこと、東北出身の 夫がポエムについて大変詳しかった、ということを伝えたかったので 本文に手を加えることはしません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年01月13日 09時48分48秒
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