カテゴリ:Pop
ザ・ヴェンチャーズに代表されるエレキ・バンドの形態は 60年代初頭、西海岸を拠点に多くのインディーズを生んだ そして当時一世を風靡したスポーツ「波乗り」をテーマにするのが定石であった 楽器構成、即ちFender系のエレキ・ギター、エレキ・ベース、ギター・アンプが 「波乗り」の推進力を表現するのに打ってつけであったのだ 80年代には60年代後半のガレージ・ロックの前身との位置づけも行われ わずか数年の歴史だが、その発掘・分析は今だに続けられている そんなエレキ・バンド史上燦然と輝く孤高のギタリストにDick Daleがいる 近年、映画では米94年“Pulp Fiction”仏98年“Taxi”で“Misirlou”が使用されお馴染み 父親のレコード会社からのデビュー、Fender社が彼専用にアンプを開発する等 彼を取り巻く環境は非常に恵まれていたが、そのサウンドはそんな事とはお構いなし サーフィンで鍛えた左腕(サウスポー)が小刻みに律動し、劣情の迸(ほとばし)りを 直接的に表現したへヴィ・スタッカート奏法がピックをベロベロに溶かす ビーチ・ボーイズ他、大勢がカヴァーしたデビュー曲“Let’s Go Trippin’” (61) #60は 「旅に出よう」と訳してはだめ、暗に「ハイになろうぜ」という意味合いがある Dick自身も波乗りを嗜(たしな)み、地元の退廃的なサブ・カルチャーを体現していた アルバム中のライブ録音では観客ノイズがあまり拾われていない事に気がつく 最近のライブ盤ならば技術の粋でスタジオ録音と聞き紛うこともあろうが 当時の無指向性マイクでは客のはしゃぎ様で演奏がかき消される事も屡(しばしば)ある 推測されるのはマフラー・カットしたオートバイの様な爆音で演奏していたということ アンプから時折発せられるスプリング・リヴァーブのピチョピチョ音も不気味だ 彼の重量感ある早弾きは、代表的ではあるが必ずしも全体的な傾向ではなかった にも関わらず現在のサーフ・ロック系バンドが必ず目標に掲げる所に彼の偉大さがある ・サーファーズ・チョイス[Vivid Sound VSCD3683] (07.6.13) ¥2,520 (税込) =Surfer's Choice (62) [Sundazed SC 11184] (06.11.7) $17.98 ・キング・オブ・ザ・サーフ・ギター[Vivid Sound VSCD3690] (07.8.15) ¥2,520 (税込)=King of the Surf Guitar (63) [Sundazed SC 6251] (07.6.12) $13.98 ・Checkered Flag (63) [Sundazed SC 6252] (07.6.12) $13.98 ・Mr. Eliminator (64) [Sundazed SC 6253] (07.6.12) $13.98 ・Summer Surf (64) [Sundazed SC 6254] (07.6.12) $13.98 http://www.dickdale.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年08月23日 07時00分05秒
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