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カテゴリ:読書
またまた、とってもスゴイ本を読んでしまったなぁ、と思います^^ 東野さんの本は「秘密」しか読んだことがなくて、期待が大きかった分結構ガッカリしたんで、それっきり遠ざかっていたのですが・・・。 コノ人は、天才かも知れない、と思いました。 主人公の成瀬純一は、ある日不動産屋で強盗に居合わせてしまい、そこに居た小さな少女をかばって頭を撃たれてしまう。奇跡的に助かった彼は、徐々に回復するが、実は破損した脳の一部を他人から移植されていた。科学的に問題はないと言われるが、大人しくまじめだった彼の性格は次第に変わっていき・・・。 何て面白いことを思いつくんでしょー、作者さんは。現実的にそういうことが可能なのかどうかは知りませんが・・・。 まじめだった主人公の心理が、少しずつ少しずつ凶暴になっていく、その過程を描くのが実にうまいです。全く不自然さがありません。しかも恐ろしいのは、その凶暴に変わっていく心の動きに感情移入してしまうところです。犯罪心理って、こういうところからだんだん膨らんでいくんだなぁと感心。犯罪を犯す人間の心の状態も、とても緻密に書かれています。相当勉強されたのでしょうか・・・。ものすごく説得力があります。 他の本も読んでみたくなりました。オススメです。 物語の中のセリフで、とっても心に残るものがありました。 ”生きているというのは、単に呼吸しているとか、心臓が動いているとかってことじゃない。脳波が出ているということでもない。それは足跡を残すということなんだ。後ろにある足跡を見て、確かに自分がつけたものだとわかるのが、生きているということなんだ” お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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