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テーマ:最近観た映画。(38863)
カテゴリ:通訳・翻訳
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世の中にこんな美しい通訳者はいるのだろうか。 ボサボサの髪を後ろで雑に束ね、メガネ姿。 それでもこの美しさ。ニコールだからこそできる役だろう。 私はたくさんの通訳者を見てきたが、こんなに美しい人は始めてです。 ショーン・ペン演じるケラーが「たかが通訳者だろう?」と言うシーンがある。 ニコール演じるシルビアは、それに対し答える。 「通訳者のせいで戦争になった国もある。」 国連とは程遠い世界で通訳をしていた私でも、胸にズジーンと響く言葉だった。 会議通訳ではなく、どこかの現場での一対一の通訳であっても、 通訳者の印象一つで両者の信頼関係は大きく変わってしまう。 壊そうと思えば、いや、壊す気がなくても二人の関係を容易に壊すことができる。 通訳者はそれだけ重大な責務を担っている。 会社の新規プロジェクトであろうと演劇の演出であろうと、国連であろうと… 通訳者はただ言葉を右から左へ流しているのではない。 当人同士に足りない「言語」を補いつつ両者をつなぐ「ロープ」となる。 今度通訳をすることがあれば、シルビアの言葉を胸に、気持ちを引き締めて 両者のより良い関係作りを手助けしたいと思う。 さてさて、映画自体に対してのコメントですが、主役の2人があまりにも 素晴らしいのに、脚本がそこに到達していない、という印象を受けた。 バックにあるテーマがとてつもなく重いのに、サスペンスに重点を置くあまり そのテーマの重要性が薄れていた気がする。 でもオスカー女優&俳優の2人の共演を見られたのは 非常に幸せな気分だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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