ジャズの広場

2003/07/01(火)09:29

58 ミート・ユー・アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド/アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

MEET YOU AT THE JAZZ CORNER OF THE WORLD 1,2/ART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERS 圧倒的という言葉がふさわしい。何なんだ、この熱気は。フロント陣が冴えまくり、バンド全体でメラメラと青い炎を出し完全燃焼状態。2の④The Things I Love、⑤The Summitではもうリー・モーガン万歳。特に⑤では、どれだけ撃っても弾倉がカラにならないカービン銃を撃ちまくり、敵陣を掃討するランボーのようなすさまじい演奏。完膚なきまでに聴衆をノックアウトする。こんなソロはほかの人間には吹けないだろう。彼もまたパーカーやブラウン、マイルスらと同じく、人間国宝級のジャズ・ジャイアンツであったことは間違いない。タイプ的には完全に鉄砲玉、特攻隊長として分類される得難いジャズマンだ。1の③What Knowでは青筋ビキビキ立てて大シャウト。堂に入ったもの。もしクリフォード・ブラウンが生きていたら、共演の一つでもしてくれていたかもしれないと思うとまことに残念だが、フレディー・ハバードとのバトルはブルーノートにあるようなので(ナイト・オブ・ザ・クッカーズ)ぜひ聴いてみたいものである。ところで1の最後のThe Breeze And Iは、露天風呂で鼻歌を歌うようなトラックで、全編熱くてのぼせそうになった時にさあっっと吹き抜ける冷風。こういう曲を一つ入れるなど、メッセンジャーズは気が利く。やはりこれはブレイキーのリーダーとしての力量、サービス精神の表れに違いない。

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