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こんな更新頻度がひどいブログに来てくださった皆様、お元気でしょうか。
あと一週間で国家公務員一種の試験日となり、受験はラストスパートに入っています。 とは言え国家公務員一種は事実上記念受験ですけれども・・・ でも休憩時間を趣味に使うのはいいことだと思うんです、はい。 さて、みなさん、防衛省の調達情報に目を通したことはありますか? 一般的に我々軍事・航空好きがどこから新しい情報を仕入れるかといえば、基本的に専門雑誌です。J-wings、航空情報、航空ファン、個人装備ならArmsマガジン、陸物はPanzerなど様々な雑誌が発行されています。「兵器」より「軍事」に興味があるなら軍事研究などもいいでしょう。それにインターネットの最新ニュースや他人のブログ(私もJSF氏のページにはお世話になっています)、そんなところからの情報がほとんどです。 が、しかし、そういったメディア以外にも、ちょっと見るところを変えればたくさんの情報が手に入る、「ファン」レベルの人間にとっては穴場とも言える場所があります。 それが、防衛省の公開情報です。 例えば、下のリンクをごらんください。 装備施設本部の調達情報です。現在、20年度調達実績と、21年度の調達予定が公開されていますね。 http://www.epco.mod.go.jp/supply/jisseki/index.html 誰も解説してくれないので自分で色々考えないといけないのが難点ですが、そうでなくても調達する装備品目を眺めているだけでも、普通の雑誌には載らないたくさんの装備品があることに気付くでしょう。 例えば、「調達実績及び調達見込(中央調達分)」のページをくっていきますと、契約金額の大きな順に企業が掲載されたページがあります。 その中の第二位、三菱電機の主な調達品の項目を見ていくと「シースパローミサイル(RIM-162)」とあります。従来のシースパローの型番はRIM-7ですから、これは新型、つまり通称「ESSM」であり、この調達が既に始まっていることが読み取れます。これを調達したということは対応したVLSも調達されているということです。 それでは「調達予定品目(中央調達分)」の中の誘導武器課の項目を見てみましょう。 これをずっと目を通していくと、「Mk25キャニスタ」というものがあります。これが、むらさめ、たかなみ、こんごう、あたご、ひゅうがなどに搭載されているMk.41VLSにESSMを対応させるためのキャニスターです。これを使用することで、1セルに4発のESSMを搭載することが可能となります。 その一方で、「Mk20キャニスタ(RIM-162)」というのが上にあります。こちらはMk.48VLS用のキャニスターです。Mk.48は現状むらさめ型のASROC用としてしか使われていなかったはずですが、ここにきてSAMの搭載も行われているのかもしれません。 もうちょっと見ていきましょう。 「短SAMシステム3型A」という項目があります。これはいったいなんでしょうか?短SAMといえば陸自の81式短距離地対空誘導弾か海自のシースパローですが?もしかすると81式短SAMのC弾のこと? と、このままではわからないのでちょっと検索してみましょう。すると次のような資料が出てきます。 「短SAMシステム3型用ソフトウェア等の維持管理役務に関する契約希望業者募集要項」 http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/t2/nyuusatsu/K-21-6100-0122.pdf この公募権者の項を見ると、海上自衛隊です。また、途中の応募条件に「当該システム及び連接する艦艇戦闘指揮システムに精通し」とあることから、海自のシースパローであることがほぼ確定しました。あとは何に搭載されるか、ですが、艦船課の調達情報を見ると21DDの船体が調達されています。ここから、どうやらそれに搭載されるらしい、ということが推測できるわけです。 と、いいながら結局のところ「短SAMシステム3型A」が具体的に何のことなのかはわからなかったのですが・・・恐らくFCS周り、また3Aという言葉からFCS-3改のことかなぁと考え、19DDにはFCS-3改が搭載されるという情報に繋がってくるわけです。 他にも様々な試験が書かれていたり、弾薬課では普通は表に出てこない榴弾砲の弾種などが事細かに記載されています。その中で知らないものを検索していけば、知識も大きく広がっていくでしょう。 「諜報の7割は公開情報から得られる」とはよく言ったものです。私たちが入手できるのは断片的な情報にすぎませんが、それをうまく関連付けていけば、きっと新しいものが見えてくるでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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