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2017/03/14(火)00:03

今度のだるまは借金ダルマ!~NHK土曜ドラマ「経世済民の男」

日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇(31)

NHK土曜ドラマ経世済民の男が始まりました。 第一回が高橋是清 NHK東京製作前後篇 第二回が小林一三 NHK大阪製作前後篇 第三回が松永安左ェ門 NHK名古屋製作 になっています。 第二回は「夢とそろばん」【前編】 明治27(1894)年。甲州の裕福な家の生まれである小林一三は、三井銀行・大阪支店で趣味の小説を書きながらのんびり働いていた。ところが、新しい支配人として岩下清周が着任してから生活が一変。独断で融資を決めるなど破天荒な岩下に振り回され仕事漬けの日々に陥るも、同時に銀行の仕事の面白さを知る。ところがその矢先、独断専行が目立つ岩下は辞任に追い込まれ、一三も転勤に…。その後北浜銀行を設立した岩下に「新会社の社長にならないか」と誘われ三井銀行を辞め大阪に飛び戻るが、翌日から株式市場が暴落。一三は岩下から北浜銀行が関わっていた行楽電車「箕有電車」事業の清算業務を任されることに。景気のあおりを受けた箕有電車を哀れに思った一三は、妻・コウのひとことで画期的なアイディアを思いつき、弱小電鉄の再生に向け動き出す…。 大阪篇は東京編とは全く異なるイメージでコメディタッチ。しょっちゅう一三が空想したり(全部自分に都合のいい想像)、彼の思い描く街の姿がアニメになって登場したり。極めつけは借金だるまことだるまの着ぐるみが出てくる。後編では宝塚の大階段でも踊るそうだ。 明治初期の大阪は 煙が立ち込めていてすっかり工場地帯。かつて中国の重慶もこんな感じだったな。 朝の連続テレビドラマから5年、「てっぱん」の美織さんもちょっと大人になりました。とはいえ10代から70代までの演じ分け?第一回のオダギリジョーさんといい、長いスパンで人生を描かなければならないため、演技者のハードルが高くなりますなぁ。阿部サダヲさん演じる小林一三さんは結構調子がよくて奥さんにも酷い事を言っているのに憎めない。 奥田さん演じる岩下さん、確かにカッコいいですね。時計をぶら下げている姿も様になっています。 【後編】 無事に箕有電車を開業した一三だったが、客足は伸びない。家族で出かけられる場所をつくるため、一三は女子だけのオペラを上演することを思いつき、宝塚少女歌劇団を設立する。そんな時、箕有電鉄の大株主である北浜銀行の頭取・岩下が疑獄事件に巻き込まれ失脚。北浜銀行は事実上の倒産に追い込まれてしまう。一三は借金をして北浜銀行所有の箕有電車株を全て買い取り、名実ともに自分の会社にする。さらに苦しい状況を承知の上で路線を伸ばし、大阪から神戸までの大動脈・阪神急行電鉄を創業。駅に隣接する百貨店を創業するなど画期的なアイディアで事業を拡大していくが、日本は戦争の時代を迎えようとしていた…。 そう言えば今生駒トンネルってありました。あのトンネル工事のために無理な資金を投入して窮地に追い込まれた岩下のために、今度は小林が一肌脱ぎます。「日本を一等国にする!」という彼の熱意を受け継いだ一三が、百貨店や温泉(ちょっと失敗したけど)、歌劇団に映画と人々の暮らしを豊かにするアイデアを次々と打ち出していく様は見ていてわくわくする。「一等国とは働いた者の努力が報われる国」と言い切る一三。銀行家が嫌で、働くことが嫌だった一三は、いつの間にか誰よりも働くことが好きな男になっていた。今日本は、働く者が本当に報われる国になっているだろうか。 しかし一三も鳥居さんと同じく長男を病気で亡くしたのか。辛かったことだろう。天国への階段(宝塚大階段)をタカラジェンヌに見送られながら去っていく一三。何と楽しい往生なんだろう。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】経世済民の男 小林一三 [ 阿部サダヲ ]楽天ブックス

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