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2016/08/18(木)00:03

この馬鹿馬鹿しさが素晴らしい! 横溝正史も大絶賛したホームズパロディ~ミステリ『ルーフォック・オルメスの冒険』

海外のミステリー&ファンタジー小説(723)

みなさん、こんばんは。台風は夜のうちにいってしまいました。 福原愛ちゃん泣いてましたね。結婚するとの噂もありますが、ゆっくりして欲しいですね。 さて、今日は横溝正史さんが絶賛したミステリ短編集を紹介します。 ルーフォック・オルメスの冒険 Les Aventures de Loufock Holmes カミ 創元推理文庫  カミという変わった名前は、と~っても長い本名の一部を取ったペンネームだ。ペンネームと同じく本書の文章もえっらく短い。普通の小説といった感じではなく、舞台の脚本を読んでいるイメージである。ルーフォック・オルメスはシャーロック・ホームズをもじった名前であるが、名前と同様中身も全然違う。  オルメスには、ワトソンよろしく助手はいるが、名前はない。持ち込まれる事件は、やはりホームズのように突拍子もない。例えば彼のもとに客がやってくるが、その客が「骸骨を頭から足までそっくり盗まれた」と言い出す。しかし、現にその客はオルメスと話しているのだ。「ベッドに横になっている」というト書きはあるものの、そもそも、骨がなかったら、あなた生きてませんから!  こらこら、オルメス。ここは「これは前代未聞の難問だ!」と喜ぶところじゃなくて、彼を病院に連れてくべきだよ!  またある時は、ヴェニスで潜水殺人犯による連続殺人事件が発生。犯人は、ドリルでゴンドラの底に穴をあけて、乗っている人達を水中深く引きずり込んで、金目の物を奪って逃走する。悪党達を捉えようとするが、なぜか犯人達はあっという間に姿を消す。但しその際にベルの音が遠ざかっていく。するとオルメスはこう宣言する。「犯人は自転車に乗っていて、そのベルが‘通りますよ~’と魚達に知らせるために鳴っている」そして犯人達を捕まえるために、オルメスも助手と二人で水中自転車に挑戦!いや、その前に、そもそも水圧で漕げないですから、自転車。それなのに熱血助手は「先生となら海底二万里の旅でもお供します!」と宣言。ネモ船長じゃあ、あるまいし。  …と、上記を上回る奇天烈な事件あり、訳者が日本語に変換する時随分苦労したんだろうな~と思える掛け言葉遊びありの内容となっている。二部構成で、第二部は宿敵怪人スペクトラ(キラキラネームか?)との対立が登場。さぞや手ごわい相手かと思うだろうが、まあ、こんなオルメスと互角に?戦うのだから、その強さ、破天荒さも想像がつくだろう。ミステリを楽しむというより小咄を楽しむ感覚で楽しめる。全三十四編収録。ちょっとの時間で読めるので、気ぜわしい毎日を送る方にぴったり。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ルーフォック・オルメスの冒険 [ カミ ]楽天ブックス

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