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2021/01/15(金)00:00

リーバス 昇進のチャンスを断り 歯痛に苦しむ~リーバス警部シリーズ第7作『血の流れるままに』

海外のミステリー&ファンタジー小説(730)

みなさん、こんばんは。東京オリンピックで東洋の魔女の異名を取ったバレーボール選手井戸川絹子さん、旧姓、谷田絹子さんが亡くなりましたね。 今日もリーバスシリーズを紹介します。 血の流れるままに Let It Bleed イアン・ランキン ハヤカワ・ポケット・ミステリ・ブックス リーバスにしては派手なカーチェイスシーンから幕が開く。エジンバラ市長の娘を誘拐した若者二人を追っているのだ。ところが逃げ場を失った彼等は河に身を投げ自殺する。またある時、元受刑者が区議員の前で自殺。それぞれの事件を調べるリーヴスは、有力者や警察から捜査を止めるよう圧力をかけられる。  原題はLet It Bleedでストーンズの曲から取られている。リーバスを悩ませ続ける歯痛の状態、汚職に塗れている国スコットランド、そしてほとんど干からびるまで血を流した(リーバスの)良心を象徴している。  後の上司になるシボーン・クラーク刑事は、署内で四面楚歌のリーヴスの数少ない部下。「署内にいると煩いから休暇を取れ」と言われたリーバスがすんなりその言葉に従うはずもなく、あちこちうろつきまわれるのは、彼女の助けあってこそ。何と本巻でリーバスに昇進話まで持ち上がるが、もちろんこの昇進は条件つき。リーバスならばさもあらん、と思われるが、もったいなくもその話をライバルに譲ってしまう(赴任地が田舎町だったというオチあり)。信念と刑事の勘を頼りに突き進む一匹狼、家庭には恵まれない。ハードボイルドなはみだし刑事は、自分の決断の報いを次作「黒と青」で受ける。   スコットランドのマイクロソフトを作ろうとする企業家の話が作中に登場するが、実際スコットランドは西欧で有数の電子産業生産地だそうだ。 ​『中古』血の流れるままに—リーバス警部シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)​​KSC​

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