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俺は大学時代は旭川市に住んでいた。
旭川は北海道の内陸にある都市で、もちろん海はない。 でも大きなパルプ工場があって、その近くに行くと海の匂いみたいな匂いはする。 ある日、俺がどっかに出掛けた帰りのことだ。 車を走らせているとやけにカラスが多い。 なんだよー。不吉だなぁ。 なんて思ってたら、 今度はそのカラスが車が行き交う道路に下りてくるようになった。 うわー、危ないなぁ。 なんて思ってたら、 どうやら、道の上に彼らの餌になる何かが落ちているようだ。 なんだぁ?ゴミ収集車がこぼしていったのか? なんて思ってたら、 落ちていたのはどうやら魚らしい。 なんでこんなところに魚が? それにしても最初にカラスを見かけたところからはずいぶん来たぞ、 どっかにまとまって落ちているのか? ああ、あれか、竜巻かなんかで海の魚が巻き上げられてそれが降ってきたのか。 なんて、どっかで聞いたことがあるようなないような話を思い出していたら、 魚らしいものは道路の上に点々と落ちていることに気づく。 しかも、落ちている魚はだんだん原型を取り戻してゆく。 しまいには俺が拾って晩飯のおかずにしたくなるような銀ぴかの魚が落ちているようになった。 うわ、なんだこれー? なんて思っていたら前方に走る一台の大型トラックをみつけた。 よく見ると荷台にはテントがかけられていて 一番後ろのテントと荷台の間からぼとっ、ぼとっ、と、魚が落ちてくるのだ。 うわー。これが原因かー。 なんて思いながら俺は家に帰って行った。 ちょっといいものを見た気がした日のことであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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