|
カテゴリ:リクエストフィクション
学園 水戸黄門 第十六話
翌朝、通学路の自警団は数を増していた。昨夜、この近所で乱闘事件があり、街のチンピラから逮捕者も出たらしいのだ。 朝からピリピリとした空気の中、陣頭指揮をとり校門に立つ亜久代寛は一段と厳しい表情を見せていた。 それでも午前の授業は通常通り行われ、昼休みになった。 「ちゃ~らら~ら~、ちゃ~ら~ら~ら~、ちゃ~らら~ら~ら~♪」光子の携帯が鳴った。 格野からのメールだ、 「麗子が動きました。生徒会室の前です」 光子は教室を飛び出した。 ついに取引が行われるのだ。現場を押さえれば事件は解決する。はずだ。 すでに生徒会室の前の廊下には麗子とマチ子の兄が来ていた。先ほどからなにやら話をしている。 「あなた、今更何言ってるの?昨日言ったでしょ、私が立て替えてきたんだから、お金がないじゃすまないのよ」 高圧的な口調で麗子がまくし立てる。 「それでも、もういらないんです。その薬、もう使わないことにしたんです」 「どういう意味よ!?この薬について誰かに何か言われたの?」 「そうです。その薬、禁止薬物ですよね。たとえ記録が出てもそれじゃ、意味ないじゃないですか」 「フン。誰に言われたか知らないけど、そんなデタラメ、これはただの栄養剤よ。何の問題もないのよ」 麗子はなだめるような口調に切り替えた。 そのとき、 「それなら、どこか専門の機関に調べてもらいましょうよ」 光子がその場に駆けつけた。 「あなた誰!?」 「私は2年C組、水戸光子。先輩、その薬、どういう薬か説明してください」 つづく 携帯の着信音は水戸黄門のテーマ曲です。 本当はマナーモードにしたかったんだけど、 何となく水戸黄門のテーマ曲を使ってみたかったんでこうなりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[リクエストフィクション] カテゴリの最新記事
|
|