親父の伯母さん
珍しく、両親が東京にやってきた。親父の大学時代の同窓会だったらしい。普通なら、4人で飯でも食って、それでおしまいなんだけど、今回は、家族4人そろって、親父の伯母さん(俺からすると、なんと呼ぶのだろう・・?)のお見舞いに行ってきた。伯母さんは、85歳(うる覚え)で、食道と気管の病気を患い、ほぼ寝たきりの状態。声は出せない。ただ、意識はしっかりしていて、目と首を振ってコミュニケーションを取ることができる。血色はいいが、肩と全身を使って息をしてて、とても苦しそうだった。親父とはもう、何年も会っていなかったらしい。親父がおばさんの肩をトントンと叩きながら、「吉岡です・・・ボクチャン(親父の昔のあだ名らしい)です。早く元気になってね」との呼びかけに、かすかに目元が笑ったのが印象的だった。人の生命力と意識があることって、素晴らしいことなのだなと、肌で感じた。首を振るのが精一杯の動作だから、介護をしている伯母さんの娘さんや、伯母さんのお嫁さんは、偉いなと思うと同時に大変だ。でも、伯母さんの介護を一生懸命やっていて、すごいなと思う。俺は、親が寝たきりになったとき、文句も言わずにちゃんと世話できるか・・・延命治療の是非について、よく議論されるが、かすかに望みがあるのであれば、延命治療には意味があるのかも、とも思った。生きているという事実で、家族が癒されるのであれば・・・遺産など、ドロドロとしたことのためだけに、延命治療するのは・・・どうだろう?とも思うし・・・難しい議題だね。