先月、うちの貧乏長屋に30年以上勤めたナースRが、リタイアしてまだ3年も経たないというのに亡くなった。彼女が他界したその頃、私はちょうどアリゾナにいたので、お葬式にも行けなかったが、心の中で長年多くの患者さんに尽くしてきた天使の冥福を祈らせてもらった。それから、もう半月も経つと言うのに・・・、ウチの貧乏長屋では奇妙な幽霊騒動が続いている。
同僚Jが夜勤の仮眠中金縛りにあって、耳元で亡くなったRがささやく声を聞いたと言い出したのをきっかけに、「えー、実は私も・・・」と言うナースが3人も現れた。声を聞いたとか、誰もいないはずの回復室からナースコールがあったとか、トイレに入っていたら電気が急にパラパラしはじめたとか、分娩室のドアをさえぎるカーテンの陰に誰か立っているので振り向いて声をかけたら消えたとか、後ろに誰か立っているのを感じたので振り返ったら誰もいなかったとか・・・。Rさんの声を聞いたとか、気配を感じたとかいう話が出るわ出るわ・・・。まっ、医療現場で長らく働いていると、こういう話はよく聞くし、霊の存在を信じないわけではない。が、とりあえず立場上、トイレの電気と回復室のナースコールはエンジニアにみてもらうよう手配した。
きっとすごく長く勤めていたので、Rさんは貧乏長屋に思い入れが深く、そして長らく一緒に働いてきた同僚を家族のように思って会いに来ているのかもしれない。
しかし・・である。昔からポルターガイストとか言うが、電気を消したり、物を動かしたり、ナースコールで遊んでみたりすることに一帯なんの意味があるのだろう?「だから?」なんなのさ・・。存在を示して、で、何が目的なのだろう?こっちからそっちは見えないし、何もできないんだから・・・。それとも、まだ亡くなった自覚が無くて、働きに来ているのだろうか?私だったら、死んでまで仕事場には行きたくない・・。まして、ナースコールやトイレの電気で遊んだりはしないだろう・・・。なんだか良く分からないが、貧乏長屋の幽霊騒動(それとも集団ヒステリー状態?)は続いている。はやく、成仏してくらはい・・。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
もっと見る