2018/02/26(月)02:04
チキンハンバーグの詩 / 第3章 ~5~
大学3年生の12月のはじめ、、、
例によって私はある教授から出されたレポートの提出期限を明日に迎えていた。
多くの学友たちがもう書き終えたと言っているこの日に至っても、私の原稿用紙にはまだ1文字も記されていない。
そう!
既に頭の中で論の構築はできている自信があったのだ。
その推敲を時間ギリギリまで続けるもの毎度のことだ。
この日の夜は家庭教師のアルバイトがあった。
それを10時に終わらせて、後輩Nと合流する。
さすがにレポート提出日の前日の夜に同じ課題を背負っている同期の友人には声をかけ辛かった。
その後輩Nとはこの時期ビリアードにはまっていて、車で40分ほどの場所に移動する。
まずは1階のゲームセンターで少し遊んだ後、2階にあるビリアード場に行くのが定番であり、この日も例外ではなかった。
ビリアード台に向かう頃にはもう日付けが変わっていた。
そしていつのもように淡々とナインボールを始める。
家庭教師をしている時間も、車での移動中も、ゲームセンターでもビリアード場でも、、、
ちゃんとすることはしながら、楽しむことは楽しみながら、私は頭の中でレポートの論を構築していく。
何度も何度もはじめから、論の流れに矛盾はないか、より説得力のある実例を引き出せないか、、、
いろいろ考えながら時間を過ごす。