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カテゴリ:エッセイ
タミさんが帰ってきた(タミさん日記8)
ミーちゃんが運転する車に乗せられて タミさんが帰ってきた。 タミさんが入院している間に、 部屋を片付けた。 玄関から入ると、タミさんの部屋まで 何ヵ所もの段差がある。 古い家なのでバリアフリーではない。 だから、庭の縁側からタミさんの部屋に直接、 入れるようにすればいいということになった。 しかし、ここにも難所があった。 タミさんが集めたガラクタだ。 重くて古い古い小物入れやタンスがあった。 中から戦前のお札や江戸時代の古銭が出てきた。 90年以上前に作ったタミさんの着物も出てきた。 歴史の教科書のような このガラクタたちを別のところに移転した。 すると、難所がなくなり、 庭からタミさんが即、部屋に入れることになった。 さて、タミさんは家につくなり、 お饅頭をパクパク食べ始めた。 こんにゃくゼリーも食べた! お餅も食べた!! 暴飲暴食の始まりだ。 主治医の先生もやってきて呆れていた。 「まさか、こんなに早く帰ってくるとは・・・ どうやら、私が死亡診断書を書くことになりそうだね」 一時間もすれば、どうやら食べすぎで、 あっちこっちが痛くなってきたらしい。 「痛い・・・おーい・・・」 と大きな声で叫ぶタミさん。 たぶん、座薬でも入れてくれというのだろう。 病院では一度も痛くなかったのに・・・ ヒロちゃんはミーちゃんと作戦会議しているので 6歳のひ孫が代理で「まて」と大きな字をタミさんに見せる。 タミさんは、 「おー、そうか・・・」 目の中に入れても痛くないほどカワイイひ孫が現れたので、 タミさんは上機嫌だ。 痛みも一時退散したようだ。 やけに素直。 看護士と医師のすべてを敵に回した 暴れん坊タミさんはどこへ行ったのか・・・ やっぱり、タミさんは、早く家に帰りたかったのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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