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カテゴリ:シリーズ「その男」
「やっぱり文化の日は 芸術だな・・・・・」
その男は そうつぶやいた。 11月3日(火)は、文化の日。 その男は その日の午前、小樽市にある文学館に向かった。 恒例の古本市があるからだ。 仕入れるのが目的ではなく、面白そうな本に 出合えたら という感じで・・・ 10時に特設コーナーで古本市はオープンした。 その男は、10数人とともに会場に入る。 そして 単行本を中心に見てまわった。 今回は、けっこうイイ本に巡り合ったようだ。 「読むことの歴史」など希少価値のあるものも・・・ その男は10冊ほど抱えながら、見てまわっていると、 突然トントンと 肩を軽く叩かれた。 「ヤバい!」 その男は こういう場合、 何もやましいことはしていないのだが、 咄嗟に そう思うのだ。 その男は、実は内緒なのだが、パトカーを見ただけで、 「ヤバい!」と思うらしい。 過去に何かあったのだろうか・・・ 誰かに 見つかると・・・ 今回の トントンは 60代くらいの売場担当のオジサンからのものだった。 「お客さん、重いでしょうから、 ここに置いてゆっくり見てください。」と 声をかけてきたのだ。 その男は ちょっとホッとして 「あっ・・ありがとうございます・・・」 と作り笑顔で応えながら、机の上に本を置き、 再び 見てまわったという。 1冊 100円・・・ なかなかいい買い物ができて 満足したらしい。 「そういえば 今日は文化の日だったな」 その男は、それからしばらくの間 同じ建物内の 文学館と美術館を 見てまわったという。 小樽にゆかりのある作家や画家って けっこういるのだ。 小林多喜二・伊藤整・石原慎太郎・・・ 「舞台としては いい場所だよな・・・」 その男は 自分が育った場所について いい感じをもっているようだ。 そして、 その男は 密かに 何かを書いているらしいのだが おそらく 日の目を見ることは無いであろう・・・ (趣味としてはいいんじゃないかって 僕は思っている^^) 感謝 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年11月04日 09時35分07秒
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