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2005.10.31
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カテゴリ:イノベーション
1週間も間があいてしまいました。
東京~札幌と出かけていて、途中で携帯から投稿するつもりでいましたが、なかなかその時間が取れませんでした。


旭川市長を動かしたスケッチはどのようにして生まれたのか?
というところからでしたね。

1986年頃から積み重ねてきたものだということは、
前回説明しましたが、
1986年は、1983年に新設したジェットコースターの効果が薄れ、
3年連続で入園者が減少していた年でした。
毎年赤字を出し始め、旭川市のお荷物扱いされてきた頃です。

そんな頃に理想の動物園を追い求めるスケッチが書かれはじめていたのでした。

そして、それは開園以来自主的に行われてきた
「勉強会」の場で話し合われていたのでした。

この「勉強会」通じて、飼育係の間には、
旭山動物園はかくあるべしという共通認識が培われていたのです。
そしてそれは、菅野元園長(小菅さんの前任)の
動物園は、人と自然が向かい合うためにどうあるべきかを学ぶ、
すばらしい施設だし、そうあるべきだ
という信念と一致していたのでした。

だから、お金がない時に、できることから始めるために、
これからどういう方向に進んでいけばいいか、
すぐに検討することができたのですね。

そして、実際に飼育係によるワンポイントガイドや
手書きの情報板の設置を始めています。
動物園に何度も足を運んでもらうために、
動物と人との距離を近づけようと努力したのです。
これらはお金のかからないことですので、
すぐに実行されました。
そして、それだけでなく、もし予算があれば、
どのような動物園にしていくべきかについても
議論されていたのです。
それが、14枚のスケッチに結集されていたのでした。


こうして見ていると、旭山動物園の今日の姿は、
なるべくしてなったのだということができます。
様々な環境の変化にもかかわらず、
開園当初から、こうなる道筋がつけられていたのかもしれません。

軸がぶれていなかったこと。
それが、こんなにも力を持ったともいえるでしょう。

けっして、まぐれ当たりではないのですね。


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Last updated  2005.10.31 18:33:20
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