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土地の価格が上がり、再開発が進む中、取り残されたように佇む木造２階建ての店。
ついこの間まで隠れ家的なラーメン屋さんだった。

中は１０人も座れば満席で、テーブルは斜めで柱は傾き、戸棚で２階を支えているような危険な香りいっぱいの建物だった。

いつも地震が来ると恐いので、すばやくラーメンを食べていた。（ぜったい震度５で崩壊する・・）
いまどき珍しい真っ黒な醤油ラーメン。これがうまい。

その店が先日閉店になった。
店の人に聞いたら、資本が入り、チェーン店になると言う。

路地にあるので、たぶん再建築不可なのでどうするのだろうと思っていたら、やはりリフォームだ。
２週間ぐらいの突貫リフォームで生まれ変わった。



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昔は隠れ家だったが、今は連日お客さんが列をつくって待っている。

店の人はキタナイエプロンをやめて、おしゃれなコック服を着ている。
テレビ局も毎日取材に来る。

私は昔のラーメンが食べたいのだが、そのメニューはもう無い。

寂しく思っているのは私だけではないだろう。