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以前紹介したTOKYO MX放送している番組を書籍化したものです。
紹介されているのは全部で25本。簡単なあらすじと番組内で行われたトーク、「MACHIYAMA'S EYE」という後日談で構成されています。実質的な書下ろし部分は後日談と簡単な二人のインタビューかな。 番組を見始めたのがごく最近なので、この本で取り上げられている作品は全て初見でした。そしてそのインパクトたるや筆舌に尽くしがたいです。 アメリカ合衆国のダメな部分がこれでもかと開陳されていきます。宗教と金によって腐敗しまくっているアメリカ社会の現実。これは知っとかないといけないと思いました。日本も大概ですがアメリカはもっと酷い。そんなに酷くてもなんとかなってるってのがすごいとも思います。 一番酷いと思ったのは「ジーザス・キャンプ」。キリスト教福音派と呼ばれる宗派の実態に迫った作品。キリスト教原理主義とも言われます。要は聖書に書いてあることはみんな本当だと信じている人たち。例えば、人は進化の過程で生まれたものなのではなく、神様が土から創ったと信じている人たちです。そしてアメリカ国民の25%~30%がこの宗派に属しているといわれています。その中にはブッシュ前大統領も含まれます。つまり、ブッシュが属す共和党の最大の支持母体が、この宗派なんです。数年前まで世界最大の国家がカルト宗教団体によって運営されてたということです。 あと「ウォルマート」。アメリカ発祥の世界最大のスーパー。とんでもない広さの敷地でなんでも売っているお店です。そして無茶苦茶安い。その安さの秘訣は勿論、人件費です。生活保護前提の給与で働かされているそうです。何故そんなところで働かなくちゃいけないか。他の店は全部潰れているんです。ウォルマートの進出によって既存の店舗はやっていかれなくなります。そしてその安い給料ではウォルマートで買い物をするしかなくなるという循環。新しい奴隷制度と言えるんじゃないでしょうか。 以上のような堅苦しい内容のものだけではなく、お馬鹿な作品もいくつか紹介されています。30日間マリファナを吸ってみたり、アフロヘアの現状について調べたり、あくどい企業や団体にお笑いテロをしかけたり、それもこれもどれも非常に興味深い。日本の糞真面目な(いい意味で)ドキュメンタリーとは一線を画すユーモアセンスに脱帽します。 私のような番組を見てない人には文句なしでオススメです。もっともリーズナブルに、短時間に作品の概要を把握できます。既に見た人でそれほど番組のファンでない人は特に読む意味はないでしょう。一番いいのは現在開催中の「未公開映画祭」で本編を見た上でこの本を読むことです。1本500円。高いとは思いませんがなかなか払える値段ではないかなあ。尚、来年にはDVDでも発売されるようです。 でもまあとりあえずこの本読めば、大体事足りると思います。 松嶋×町山未公開映画を観る本 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月29日 21時16分57秒
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