ふゆゆん亭

海の日は、去年までは夫と娘と
娘の友達の3人で海に行く日でした。

4年生の時は近所のAちゃんと。
５年生の時は仲良しのTちゃんと。
6年生の時は初めての親友のMちゃんと。


一つ年上のAちゃんはその前の年にお父さんを
病気で突然亡くしたばかりで、

いつも家にいたお母さんが働きに出るようになり
お兄ちゃん達4人は年が離れていたので
いつも家に遊びに来ていました。


ハキハキと物怖じしない明るいAちゃんとは
夫も気を使わずにいられたので

海に誘ってみると喜んでくれて、
遠い牡鹿半島の美しい海に3人で遊びに行って
その企画は大成功しました。

それから夫は娘とその友達を誘って3人で
海の日に海に行くようになりました。


その頃、娘は私から離れ始めていたので
私無しでも喜んで出かけて行きました。

そして5年生では毎朝迎えに来てくれる
仲良しのTちゃんと出掛け、

不登校が本格的になっていた6年の時にも
一緒にエアロビをやり、マンガや色んな好みが
同じだったMちゃんと出掛けました。


でも今年は夫が誘うと娘は
「行かない」
とすげなく一言で断りました。


娘は小さい頃、夫になつかず
何でも私とだったので海の日に娘と海に行くのは
夫にとってとても大事な行事でした。

ですが中一になった娘とはもう行けないようです。
夫は成長の一過程だと諦めたようです。


それで今年は家で過ごすのかと思っていたら
地元のお祭りの日で、中学一年生全員が
祭りの行事で道を練り踊る事が分かりました。

そして今日は娘の友達のMちゃんが
先頭を切って踊るので見に来てね

と言われて約束をしたと言うので道路封鎖の中、
何とか出掛けてみようと思っていました。


所が最近は「～しなければならない」
「～時まで行かなければならない」

をしようとすると私はひどくプレッシャーを感じるらしくて
胃の裏側がムカムカして来たり、
子宮が痛くなったり、頭が痛くなったりします。

そして今日も不安感と恐怖感が湧き上ってきて
具合が悪くなっていました。

その上、娘がいくら起こしても起きないので
もう行く気が無いのだろうと思い

4時スタートの所、
3時45分に娘に声を掛けてみました。

すると「行く！」と言ってガバッと起きたのです。

15分前に言われても、とパニクッた私。
具合が悪いし夫に頼もうかと思ったら
夫も自室で寝ていました。


一昨日から急に真夏になったので
みんな体が付いて行けないのだと思いました。

でも具合が悪くて諦めていた私は
「自分ばっかり頑張らなくちゃいけない」
と思ってしまってイライラしてしまいました。

「行く気があるなら起きれるように早く寝なさい。
こんな時間まで寝ていて出掛けるなんて思わないよ。
自分の事はもう少し自分で管理して！」

と、ついプンプン言ってしまいました。


そしてプンプンしたまま出掛けて、
途中に車を止めて歩いて行きました。
それはもう必死で歩いて行きました。

踊りのパレードは一度も見た事が無いので
4時出発と聞けば4時にスタートすると思い
すごくあせっていたのでした。

娘が最近接触を持っている唯一の友達との
大事な約束を守らせたかったのです。


必死で坂道を歩いて行くと、
スタート直後でした。

見ていると小学校から始まりました。
各小学校から6年生が出て、
オリジナルの踊りにアレンジを加えて踊りました。

つまり娘の中学はまだまだ先だったのでした。

でも急で必死だったために考える事も無く飛び出したため、
余計な事を考えずに済みました。

これはこれでありがたかったです。
具合が悪い・・・とグジグジ考えていたら
起き上がれなかったかもしれません。


どこの小学生も必死で踊っていました。
笑いながら、汗まみれで、走ったり戻ったり、
真っ赤な顔で頑張っていました。

中学生になると動きが激しくて複雑な
フォーメーションがあったりしました。

長めの半被を着て迫力があってカッコ良かったです。
娘の中学の子達はあっという間に駆けて行きました。

何人か確認出来ましたが、
周りなんか見ていないで集中していました。
一生懸命でした。

私はこういうのを見ると胸が熱くなります。
頑張っている人を見ると涙が出てしまうんです。

だから素適な思いをしました。


出掛ける時は不満と苛立ちに支配されていましたが
帰りは元気を貰って笑いながら楽しく帰ってこれました。

過去3年間とは全然違っていましたが、
今年の海の日も
それなりに楽しい思い出が出来ました。


良かったです。






踊りのワンシーン・１




踊りのワンシーン・２
ベガルタのチアガールのお姉さん達