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September 16, 2007
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カテゴリ:
●読んだ本●


「暗く聖なる夜」上下 マイクル・コナリー著
古沢嘉通=訳 講談社文庫








こちらは洋書。



■あらすじ

ボッシュシリーズ第9弾。

52歳になったハリー・ボッシュは一年前に警察を辞めて
年金生活をしていた。

刑事時代の未解決事件の洗い出し作業を行っていたボッシュのもとに、
強盗事件によって銃創で全身不随になり引退した

元ロス市警のロートン・クロスから電話が入り、
4年前、24歳の誕生日に殺害されたアンジェラ・ベントンについて

再調査するよう刺激されたボッシュは、
アンジェラが働いていた映画会社での強盗殺人事件により

ロス市警強盗殺人課から
取り上げられてしまったその事件を調べ始めた。


倒れていたオアンジェラの両手が
ボッシュの心を捉えて離さなかった事件だ。

誰かに向かって両手を伸ばしているような、
何かを欲しているような彼女の手に突き動かされて

ボッシュはバッヂ無しの不利な立場の中で調べ続け、
警察からの横槍やFBIの脅迫にもめげずに

死者の代弁者として走り抜けた。


そうして複雑に絡み合った事件と事件が
少しずつ関連性を見せ始め、

ボッシュは謎の輪郭を追って行く。







■感想

ボッシュの初めての一人称で語られたこの物語は
ボッシュの思いや人と成りが見えて胸に刻まれた。


刑事ではなくなったボッシュが、
どんな手で捜査を進めて行くのだろうかと

興味津々だったのだが、
障害が山のように降り被さる中でも

ボッシュは決して手を緩めなかった。

それどころか、組織から離れたボッシュは
誰に遠慮も無く動ける自由を得たようだった。


そんな中でも、銃創によって全身不随の身となった
元ロス市警のロートン・クロスとその妻とのやり取りや、
悲壮な生活振りと成れの果て。

いつまでもボッシュの心から消えない
元妻のエレノアとの再会。

行方不明になったFBI捜査官マーサ・ゲスラーを探す
ロイ・リンデルとのやり取り。


話しがどんどん予想外の方向に発展し、
一体真相は何なのだろうか?

と途中何度か疑問に思ったものだったが、
ラストに近付くと

全ては無事に嵌るべきピースに
見事に収まり、

悲しみと絶望と諦めと裏切りと欲望と
怒りに混沌となっていたこの話は、

最後の最後に意外なものを提示した。


いやあぁ~~~~~~~ビックリしたね。
何度か引っくり返った。

愛の深さと悲しさ。
欲望の果ての醜さ。

両極端な人間の性が見せる
深い物語だった。


今まで読んだボッシュシリーズの中で
一番好きだなぁ~~♪


ボッシュは市井の人となっても
死者のためにとことん闘い抜いて、
渋くてカッコイイ主人公だと初めて強く思った。

今までのボッシュは「刑事」と言う枠の中にあり、
どこかで「死者の代弁者」として動くのは
当然だという感じで見ていたのかもしれない。

「刑事」でなくなったボッシュは
組織に縛られないからこそこの事件の絡んだ糸を
解く事が出来たのだ。


カッコイイよボッシュ!
そして幾らかでも幸せになって欲しいよ、ボッシュ。

あなたはずっと孤独で、
生まれた時に背負ったものの責任を
果たして来たのだもの。


唸ったね。

深い人間性を描き出した
マイクル・コナリーの筆と人間性に。


訳者によると、
訳者はこの作品の次々作の「The Closers」が
一番のお気に入りだそうだ。

なんだってぇ!!
この作品より素晴らしいのか?!!!

是非読まなくちゃ!!



日本ではこのマイクル・コナリーの人気は
今一なのだそうだ。

信じられない!
量産化の作家の人気が高い日本では有り得る話か。

とても残念だ。

これほど質の高い作家が
あまり知られていないと言うのは。










(これは母の看病中に読んだ本です)






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Last updated  September 16, 2007 04:16:14 PM
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