百画遼乱 漫画語り

2022/10/06(木)16:00

第56画『幻想水滸伝Ⅲ 運命の継承者』を語る

漫画(124)

人気ゲームのコミカライズ作品。 幻想水滸伝はコナミから出てる人気シリーズ。シリーズの作り上げたスタッフが退職されているそうですので、シリーズは5作目で終了しているのが残念です。とはいえ根強い人気があるシリーズなので、来年に1作目と2作目がセットでリメイクするそうです。 このゲームはロールプレイングゲームなのですが、毎作品が戦記物です。シリーズ毎に主人公も国も変わって、この世界の核である「紋章」を巡って複数の国が戦乱に巻き込まれる物語です。 その3作目の漫画化。ゲームとしては2作目が一番有名で人気がある神ゲーとして有名です。しかし3作目は戦闘システムが一新したのと、主人公が3人居て同じ土地で交代に進めるので、ゲームとしてはマンネリ気味になります。ですので賛否ある作品です。 しかし、戦記物としてはシリーズトップの物語だと思います。さらにこの作者の描写が上手い事もあって漫画としては神作品です。ゲームを知っている人は必見ですし、知らない人も戦記物漫画として十分満足する出来です。 戦争描写、戦闘描写、政治的描写、ファンタジー描写のいずれも抜群です。強いて言えば初期の作画が少しラフかなと思いますが段々と上手くなって、途中からは絵も凄い綺麗になります。 物語は評議会が騎士団を抱える商業国家のゼクセン共和国、六つの部族の集落があるグラスランド、そしてグラスランドと50年の休戦条約が明けようとしているハルモニア神聖国を中心とした戦記物です。 ゼクセンとグラスランドが争っている中で起きた事件が物語の始まり。 奇襲で団長を打ち取られたゼクセン騎士団が六つの集落の一つカラヤ族の村への焼き討ち 村を焼かれて親友を殺されたカラヤ族の族長の息子であるヒューゴ 族長からヒューゴを託されたダック族のジョー軍曹は怒りを抑えてヒューゴの復讐を止めます そして物語のもう一人の主人公クリスは図らずも子供を殺してしまった罪悪感からヒューゴを見逃します この後、ゼクセンとグラスランドお互いを蛮族と鉄頭と呼び合い、泥沼の戦争に突入して多くの戦争シーンが描かれます。しかし、50年の休戦条約が明けたことでハルモニア神聖国がグラスランドに侵攻。50年前にハルモニアに編入されて三等市民という奴隷になった元グラスランド人のルビーク族を先頭に、同じくグラスランドのチシャ族の村に侵攻してきます。 多くの犠牲を出して窮地に陥ったグラスランドは憎しみを超えてゼクセンと同盟を・・ 非常に良くできた作品であるのは間違いないのですが、知名度は低く本屋に置いてあることはまずないと思います。電子書籍に抵抗が無い方はぜひ購入して読んでいただければと思います。 幻想水滸伝III〜運命の継承者〜1【電子書籍】[ 志水 アキ ] 価格:734円 (2022/10/5時点)楽天で購入

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