クマとねずみの童話2007年9月、京都の山間部にある田んぼに赤米と黒米で農家の方がクマの絵柄を表現した。その写真を見てふとひらめいた。 クマとねずみの童話 その昔、山深いほら穴に3匹の親子グマとねずみが住んでいました。 お母さんグマは体が弱く外へ出られません。 「お母さん、お腹がすいたよ!」子グマがいいます。 「もうすぐ、お父さんが帰ってくるよ。それまでがまんしてね」お母さんは答 えました。 まもなく、のっし、のっしとお父さんが帰ってきました。 「どっこいしょ!」と背中から大きな荷物を降ろします。 荷物を開くと、たくさんのどんぐりや栗の実、くるみなどが出てきました。 子グマが大好きなはちの子やはちみつもあります。 「さあ、たんとお食べ!」 ある日、「さて、今日は山三つ越えた川に魚を取りに行ってこよう」 そう、言い残してお父さんグマは出かけました。 ところが、いつになっても帰ってきません。 「おかしいね?何かあったのかしら?」 「もしや、私たちのこの場所が分からなくなったかも知れない」 すると、そばで聞いていたねずみたちが 「これは大変だ!いつものごちそうが食べられない。何とかしなくちゃ!」 さっそく、みんなで集まって相談しました。 そして、「この場所がどの山のてっぺんから見えるように目印をつけよう」と 話がまとまり目印を作り始めました。 稲の根元をかじり、穂を倒してクマさんの絵柄にしました。 出来上がった絵を見て 「これなら、すぐに分かる」とねずみたちは大喜びです。 倒した稲の実は今までのお礼にクマさん親子へ届けました。 おしまい。 |