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カテゴリ:心
―自律訓練法 筋緊張ほぐす―
大阪市の会社員B子さん(24)は、2009年1月、車を運転していた時、急に左まぶたが閉じてしまい、開けられなくなったという。 複数の医療機関を受診し、総合病院の神経内科で、初めて「眼瞼痙攣」(がんけんけいれん)と診断された。 まぶたの筋肉が異常に緊張して開きにくくなる病気で、詳しい原因はまだ分かっていない。 治療薬のボツリヌス菌毒素製剤の注射を受けると、やっと目が開いた。しかし今度は右目が開かなくなった。 抗けいれん薬を飲んだが、数時間しか効かない。 発症から半年が過ぎた7月、関西医大滝井病院(大阪府守口市)の心療内科(現・ストレスケア外来)を受診。医長で主治医の神原憲治さんの勧めで、手の指や肩、額などにセンサーを張り付け、脈拍、皮膚温、発汗、筋肉の緊張などの変化を見る検査を受けた。 しばらく安静にした後、暗算を行った。普通の人は、暗算というストレスによって筋緊張が高まり、発汗が増える。ところが彼女は、安静時からすでに筋緊張が高い反面、暗算時の発汗がほとんど増えない。 手のひらの発汗は、感情の変化を表す。体は常にストレスを感じて緊張しているのに、それを心では感じにくいことが見て取れた。 実際、B子さんは、上司から理不尽な注意を受けても、自分が悪いと考える。そして表面上は元気に振る舞う。それが自然で、自分ではおかしいと思わない。 12月になると、注射の効果は1か月ほどで切れるようになり、左目が常に閉じた状態になった。 そこで始めたのが、「バイオフィードバック」という手法。 正面の画面に、筋緊張や皮膚温、発汗などの変化がグラフで映し出される。自分がどんな状態の時に緊張し、リラックスするのか、目で確認できる。 その状態で、「自律訓練法」をやってみた。ソファに横たわり、医師の言葉に従って、手や足が「重たい」「温かい」とイメージするリラックス法だ。すると、体の緊張が緩んだのか、直後にまぶたが開いた。 効果は1日中続いたという。 現在、治療を受けながら、自宅でも自律訓練法を行う。神原さんの勧めで日記も付ける。翌日に読み返すと、「仕事でミスをしたとしても、ここまで自分を責めなくてもいい」と客観的に考えられるからだ。完治はしていないが、まぶたが開く時間は増えた。 神原さんは「無視していた体や心の声に耳を傾ける。その大切さに気づくことが、心身症の治療には重要なのです」と話している。 (読売・医療大全記事より) ◇一般には、強がりを言っても、一方で、心では怖がっていたり心配したりしている自分を感じていたりしますが、「それが自然で、自分ではおかしいと思わない」と抑え込んでしまっていることが原因になっているのでしょうか。感じたままを言う方が自然であり病も発症しないと思いますが、相手が上司とか、そうできない状況というのがありますから、そこのコントロールが難しい、とこの記事を読んで思いましたね。 ◆医療機関案内ページ ◇◇◇◇◇◇ ◆自由市場 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/07/15 03:28:30 PM
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