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カテゴリ:ジュエル文庫
2020年12月刊 ジュエル文庫 著者:すずね凛さん ミステリアスな青年と一夜の愛を交わした私。女の子を生み、ひっそりと生きていたらなんと王宮からお迎えが…!そんな!!彼は皇帝陛下だったなんて!でも私は叛逆者の娘ー結ばれては駄目!「この子はあなたの子ではないの」と嘘をついて拒むも強引に求婚されて…!娘には父性たっぷりの優しいパパ。私には濃厚ラブたっぷりの旦那サマに!皇帝の包容力に守られる子育て系王宮ロマンス。 ↑楽天ブックスより、あらすじ引用 登場人物 ヨゼフィーヌ=前宰相バルトの一人娘。暗殺者に襲われて重傷を負ったアレック スを保護し、後に恋に落ちる。 アレックス=ロマーニ皇国の皇帝。暗殺されかけた際に記憶を失いヨゼフィー ヌの元に身を寄せ、彼女と恋仲になる。 ローズマリー=アレックスとヨゼフィーヌの娘。 アンナニーナ=アレックスの妹。 クリストフ=アレックスの護衛騎士。 ゴルツ=貴族議会長。アレックス失脚を目論む。 アンナ=ヨゼフィーヌの乳母。 昨日感想を上げた「ロイヤル・シンデレラ・ママ」の続編で、アレクサンダーとロザリンデの長男・アレックスがヒーローです。 事情が事情なので前作に比べるとヒロインが結婚を渋る気持ちも判る。 前皇帝一家を陥れ、殺害を企てたとして逮捕された宰相バルトの一人娘であるヨゼフィーヌは、親戚の辺境伯家にて肩身の狭い思いで育った。 母は彼女を産んですぐに産褥熱で亡くなり乳母のアンナと二人、別館で暮らしていた彼女はある日、裏庭で大怪我をした青年を見つけ保護した。 重傷ではあったが、命に別状は無い様だ。 青年はすぐに意識を取り戻したものの、頭を打ったのか記憶を失くしていた。 名前も覚えていないので、連絡先も判らず、彼を拾ったのも何かの縁と傷が癒えるまで面倒を見ることに。 名前が無いと不便だろうと仮名としてアルバローズと名付けられた彼は、二人の献身的な看護で見る見る回復。歩くことも支障が無くなりもう大丈夫だろうは思ったが、記憶だけは一向に戻らない。 怪我の状況からして、殺されかけたのかも。 アルバローズは背も高く見目麗しい青年で、男性をあまり見慣れないヨゼフィーヌは彼に一目惚れだった。そして彼もまた献身的で心優しく美しい彼女に惹かれていた。 二人が恋人同士になるのに時間はかからず、数か月ほどの蜜月を過ごした。 だが、ある日突然別れはやって来た。 初雪が降った翌日、屋敷近くにある森の見回りに出かけた彼はそのまま帰らなかったのだ。 ヨゼフィーヌは嘆き悲しみ体調を崩し寝込んでしまったのだが、やがてそれが悪阻だと判り叔父達の反対を押し切って数か月後女の子を産んだ。 そして、彼が姿を消してから3年の月日が経っていた。 皇帝アレックスは3年前地方の視察に出かけた際に暗殺者に襲われ重傷を負った。 数か月もの間彼は行方不明となっており、初雪の翌日辺境伯領近くの岩場に倒れているところを捜索隊に発見された。どうやら足を滑らせて落下し頭を打ったようだ。 自分が数か月も行方不明だったことに驚いたが、どうにもその間の事が思い出せず日に日に憔悴して行った。そんなある日、家族の思い出の花園にて花の香りに触発されて全てを思い出したアレックスは急ぎ、辺境伯領へ向かった。 その別館にて見たのは小さな女の子と遊ぶヨゼフィーヌの姿。 いくら記憶を失くしていたとはいえ、3年もの間彼女に苦労させてしまったと謝罪し、どうか妻になってほしいと求婚。 娘共々一緒に暮らそうと告げるアレックスに、姿を消した理由を知って捨てられたわけではなかったとヨゼフィーヌは報われた気持ちになったが、彼の本名を聞いて愕然。咄嗟にこの子はあなたがいない間に別の男性と関係して出来た子なので結婚は出来ないと答えたのだった。 どんなに好きでもこの人と結婚できるわけがない。 だって自分は過去に先代皇帝一家を命の危機に晒した謀反人の娘なのだから。 だが、この嘘はローズマリーの駄々によって不発となり、早々に嘘がバレてしまった。結果渋々ではあるがアンナと共にヨゼフィーヌは城に行くことに。 上機嫌のアレックスとは裏腹に、いつ彼が自分の素性を知ってしまうか気が気でなかった。 おまけに、アレックスの妹・アンナニーナにはあからさまに敵意を向けられている。 普段は叔父の性を名乗っているので彼女もヨゼフィーヌの素性は知らないはずだが、知られたら恐らく反対されるだろう。それに離宮に住む先代皇帝夫婦も。 そんな不安を他所に、別館で家族水入らずの生活が始まるとやはり楽しいし幸せだ。 ローズマリーはすっかりパパっ子になり、子犬をプレゼントされて毎日ご機嫌で過ごしている。 だが、ついにアンナニーナに彼女の素性がバレてしまったようで、庭で遊んでいたローズマリーにあなたの母親は反逆者の娘なのよ、と話したらしい。 これはもう彼の耳に入るのも時間の問題だ。 ヨゼフィーヌは一人、城を去ることを決意し・・・。 ヨゼフィーヌは父・バルトと再会、娘の結婚がダメになりそうなのを知り、バルトは城に行くことを決意。その頃、アレックスを皇位から退けるため貴族議員長ゴルツ率いる反乱が勃発。 皇帝の婚約者を遠ざけることで隙を作ろうとする作戦にアンナニーナが意図せず乗ってしまった形に。 勿論、反乱はすぐさま鎮圧されるも、そこにはバルトの命懸けの功績のおかげでもありました。 彼は死の間際アレックスにあの時の事を詫び、最後に孫の顔を見て息を引き取ります。 この辺のやり取りは読んでてちょっと泣けました。 前作ではクっソ憎たらしい人だったんだけど、人の親になるとこうも変わるものなんですね。 先代皇帝夫妻はバルトの娘と知っても、二人の結婚を祝福。 2年間の婚約期間を経て晴れて夫婦になった彼らは、後に長男にも恵まれ、皇太后同様ヨゼフィーヌも後にロイヤルシンデレラと呼ばれるのでした。 前作の主役カップルであるアレクサンダーとロザリンデは、当初名前だけしか出ないのかなと思いきや、ラストにしっかり登場。 よくよく思えばまだロザリンデは40代(多分45,6歳)なんですよね。 アレクサンダーも還暦前だし、退位するの早くない? よっぽど夫婦水入らずでくらしたかったんだな(苦笑) アンナニーナは前作ラストで産まれた子です。この二人の子供の割には拗らせた性格してましたが、ちゃんと責任を取ったのはまぁ良かったかも。 前作を読んで気に入ったならこの続編も読む価値アリです。 評価:★★★★★ 個人的に内容はこちらの方が好み。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.12.29 11:33:50
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