123041 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

王道ロマンス小説にハマったので感想ブログを作ってみた

王道ロマンス小説にハマったので感想ブログを作ってみた

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

一夏5413

一夏5413

カテゴリ

コメント新着

aki@ Re:個人的に面白かったと思う作品ランキング 1月中旬まで(01/21) この様な書込大変失礼致します。日本も当…

カレンダー

お気に入りブログ

まだ登録されていません

日記/記事の投稿

ニューストピックス

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2024.05.28
XML
カテゴリ:富士見L文庫


​​
2024年4月刊
富士見L文庫
著者:唐澤和希さん

荒ぶる神に生贄として捧げられた如月千代。彼女は弟を守るため、神の力を封じる毒と一緒に食べられたい。その瞬間を待つ千代の前に、秀麗な龍神・銀嶺が現れる。誰もが恐れる龍神は、けれど千代を花嫁として丁重に扱うばかりでーーいっこうに食べてくれない!
 銀嶺の優しさに癒やされつつも、食べられようと自分磨きに励む千代。一方で、千代の不憫な境遇を神の力技で解決しようとする銀嶺。から回りながら共に暮らす二人は、やがて互いの隠し事を通じて向き合うようになりーー。生贄乙女と龍神様、運命の婚礼物語が始まる。

​     ↑楽天ブックスより、あらすじ引用

登場人物
 如月千代=霊力を持つ「神士族」の娘。両親を早くに亡くし、弟共々叔父一家か
      ら使用人以下の扱いを受けていた。
   銀嶺=荒ぶる神として恐れられる龍神。
如月万里子=千代の従姉妹。
  如月柊=千代の弟。


荒川に居を構える名家・如月家の長女千代は10年ほど前、当主を務めていた両親を事故で亡くした。残された姉弟を叔父の正道が面倒を見てくれると言う。
両親が健在だった頃は優しく人当たりの良い人達に見えた正道夫妻は、屋敷に移り住んだ途端に態度を急変。遺産を横取りした挙句、千代たちを虐げるように。
そればかりかお嬢様育ちの千代を使用人としてこき使い、気に入らない事があれば躾と称して暴力を振るった。食事が与えられない事も多々あって弟の柊を庇いながら、それでも生きるために耐え忍んできた。今思えばどうしてあの時叔父の手を取ってしまったのだろう。上っ面に騙されて容易に他人を信じた自分の落ち度だと、ずっと悔やんでいる。

そんなある日、千代が次の龍神の花嫁として決まったと知らされ愕然とした。そして、柊も5年後の花嫁として捧げられる予定だと言う。
その昔、敵対していたあやかしと共存していくために神士族の元となった術師5人がある協定を結んだ。
それは天神契約を交わしてあやかしを神として崇めること、あやかしは受け持ちの地を守護し人を襲うことを禁じた。その見返りとしてあやかしには神士族の者を5年に一度生贄として捧げるというもの。
これは男女限らずで、18歳以上の者。建前上生贄は「花嫁」と呼ばれるのが習わしだ。しかし、あやかしと言えども残忍なものばかりではなく、争いや殺生を好まないものがいる。後者は和御魂と呼ばれ、花嫁のことも食うこともせず大切に扱っていると聞く。
だが運悪く、この荒川を守護する黒龍は荒御魂と呼ばれる残忍な気性の方だった。当然、生贄など餌としてしか捉えていない。
叔父夫婦にしてみればもはや二人は用済み。花嫁を出した家は莫大な報奨金が出るので、邪魔者を消せるだけでなく金も貰えて一石二鳥というわけだ。
それでも自分だけならばまだいい。でも柊が生贄にされるのは何としても阻止しなければ。

しかし、どうにも悔しくて今となっては唯一の友である白蛇の「ハク」に、やるせなさをぶちまけた。ハクはまだ両親が存命だった頃、怪我をして死にかけていた所を千代が助けて以来、懐いて屋敷の裏手にある藪に住み着いていた。
叔父達に殴られたり心無いことを言われて泣く千代の涙を舐めとりハクなりに慰めてくれていたように思う。黒龍の生贄になんてなりたくない、本当は死にたくない。
号泣する彼女を見て、何を思ったのかハクは千代の腕に噛みつきその血を啜ると飛び降りて藪の中へ消えて行った。

そして、輿入れの日。
白無垢姿で龍神が住まう屋敷にやって来た千代はある決意を胸に秘めていた。
亡き母は「毒華の一族」という神の力さえも無効化できる毒を作り出す一族の末裔だった。まだ幼かった千代も母からもしもの時のためにとその毒の作り方を教わっていた。
龍神が自分を食べる際にその力を無効化すれば力無い妖に戻る。
現れた人型の龍神を前に、食らいついて来た時がチャンスだと機を伺っていると、銀嶺と名乗った彼の態度は予想に反していた。
銀嶺は千代を労わり、よくぞ来てくれたと上機嫌。
そして、お前を虐げていた叔父一家に天罰を下してやると鼻息を荒くしていた。
最後の物騒な言葉以外は、どうみても邪悪な黒龍には見えない、どこか無邪気さが残るその言動に呆気にとられながら、恐る恐る自分を食べないのか?と尋ねると、何を言ってるのか判らないと言う顔をされた。そればかりか性的な意味の方か?と妙に照れている。
彼はあかぎれと傷だらけの手を見て眉を寄せると、式神を呼び出し、千代の世話を任せた。痩せ細り傷だらけの女には食欲もわかないと言うことかと彼女は一応納得したが、あれからひと月以上経ち、血色の良くなった千代を見ても彼は彼女を食おうとはしないばかりか、何か欲しいものはないか等、気遣いを見せてくる。

どうも噂の黒龍と銀嶺の人となりが一致しない。
取り敢えず、千代を食う気が無いのは確かなようで、ここまで来ると疑う余地も無いように思う。銀嶺は本当に優しくてだからこそ叔父一家に激怒している様だった。
もしや彼は荒御魂ではなく和御魂なのでは?
首をひねりつつ、穏やかな日々を過ごすうち、気になるのは叔父の元に残っている柊のこと。先日、貢物を届けに来ていた花京院家の次期当主・忠勝と会う機会があり、千代が生きていることに驚いた彼に謝罪された。自覚は無かったが千代には優れた霊力があり、本来なら忠勝の許嫁になる予定だったことや、叔父は本家を通さず花嫁役を千代に決めてしまったそうで、気付いた時には取り消しが間に合わなかったと申し訳なさそうにしていた。
それでも忠勝は千代が大事にされているなら良かったと安心しており、ここ最近、この地の守護の質が変わったと溢してもいた。前はもっと荒々しかったと。
この会話から余計に弟のことが気になってしまい、銀嶺に弟をここに引き取りたいと頼むとすぐに許しが出た。
一緒に来てくれると言う彼と二人、如月家に赴くと、正道は腰を抜かさんばかりに驚いていた。しかし、すぐさま姪に向かってお役目を放棄したなと責め立て、横にいた銀嶺の不興を買っていたのは滑稽だった。叔母と万里子は銀嶺に媚びを売っていたものの彼らの悪行は既に彼に知られていたので靡くはずもなく、凝りもせずに千代に対して高圧的な態度をとる万里子達に怒りを露わにしていた。
彼のおかげで柊を無事に黒龍の屋敷に連れ帰ることが出来て一安心だったが、何故か弟は銀嶺を見るや彼態度を変えた。その尋常でない雰囲気に二人きりになった際、理由を尋ねると柊が両親を殺したのは黒龍だと言い出し・・・。


和風シンデレラストーリーです。
銀嶺って本当に邪悪な黒龍なの?
最初からかなりの違和感があったんですけど、やはり別人だったことが後に判ります。恐らくハクの件で気付いた方も多いんじゃないでしょうか。
銀嶺は荒御魂・黒龍の8人の子供たちのうちの一人で、唯一白い鱗を持っていたことで迫害されていました。そんな中、毒華の一族により、好き放題悪さしていた兄弟たちは力を奪われた挙句に処罰され、生き残った子供は銀嶺のみ。でも彼は父に心底嫌われていて棄てられた所を幼い千代に救われたのでした。千代は稀血であり、その血を啜り身を食えばあやかしは力を得ることができる。
彼女の涙を舐めていた銀嶺は図らずも徐々に力を付けて行き、あの生贄の話を知ることに。千代の血を啜って更に強大な力を持った彼は父を討ち封印に成功。黒龍に成りすまして彼女を迎えたというのが真相でした。
でも、黒龍は万里子に唆され疑心暗鬼になった柊を操り、銀嶺への復讐を企みます。一方、彼は千代がそうだと知らず毒華の一族の末裔を探し、父の力を無効化するべく奔走。そして結果的に銀嶺と千代のお互いへの想いが力となり黒龍を倒すのでした。
万里子は貴重な文献である千代の母の手記を勝手に読んで処分すると言うやらかしによって千代の怒りを買い、諸々の罪状も相俟って銀嶺の意向で叔父一家の神士族としての身分を剥奪。一文無しで追い出される羽目に。
この件は読んでてスッキリ。銀嶺は和御魂として新たに天神契約して黒龍の代わりにこの地を守護することになり、千代と新婚生活を始めた所で〆
このお話、続編があるそうで秋頃に2巻が出るとか。新たな試練という煽り文句に嫌な意味でドキドキ(^_^;)


評価:★★★★★
序盤の銀嶺と千代の噛み合わないやり取りが可愛い。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024.05.28 09:00:12
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X