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2024.09.09
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カテゴリ:その他文庫


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2024年9月刊
小学館文庫キャラブン!
著者:朝比奈希夜さん

陰陽師に騙され、天狗を殺すための生きた毒餌にされた紫乃。一時は死の淵にあった紫乃だが、高尾山の白天狗・左京に助けられ、彼の屋敷で看病を受けることで少しずつ元気を取り戻していく。
お前はあやかしを魅了する斎賀一族の者ではないか、と左京に指摘された紫乃だが、貧しい農村で育った自分にはまったくその心当たりがない。だが、左京の言葉通り、紫乃は魅了の力によってあやかしを引き寄せ、黒天狗と対峙するという危機も乗り越える。
しかし、あやかしの壊滅を目論む陰陽師にとって、魅了の力を持つ斎賀一族は邪魔でしかない。紫乃の身に危険が及ぶと考えた左京は、紫乃をかりそめの妻として屋敷に留め置くことにした。
自分の未来を自分で切り開くためには斎賀一族のことを知る必要がある。紫乃は左京を伴い、実の家族と信じてきた中村家の人々が暮らす農村を訪ねようと決意。そこで紫乃は、これまで隠されてきた出自にまつわる真実を知ることになるがーー。
話題の帝都かりそめ婚姻譚、第二弾登場!

​      ↑楽天ブックスより、あらすじ引用

登場人物

 斎賀紫乃=かりそめ婚で左京の妻になった娘。
   左京=高尾山一帯のあやかしを統べる白天狗。
    颯=左京の侍従で火の鳥のあやかし。
  阿久津=陰陽師。政府から天狗討伐を命じられている。


陰陽師の竹野内に騙され、姉の時子を失い、自らも毒の後遺症に苦しんだ紫乃。左京とその侍従・颯の尽力により入手した解毒の実で一命をとりとめた彼女は、暫く養生することにはなったが、今ではすっかり回復した。
高尾山にある左京の屋敷では、現在座敷童の手毬と幼い妖狐・蘭丸も暮らしており、紫乃も賑やかな日々を過ごしている。
前回の騒動で、自分があやかしを魅了する斎賀家の者だと判った彼女は、その身の安全のために左京の庇護下に置かれ、名目上は彼の妻ということになっていた。
かりそめ婚という関係は、左京に密かに想いを寄せている彼女を複雑な気持ちにさせていたけれど、自らの出自について詳しく知りたいと切実に思う。
故郷の村にいる両親に聞けばもっと詳しい事情も判るはず。
同時に時子の死も伝えなければと思えば気も重いが、いつまでも先延ばしにしているわけにもいかない。そう決意しながらも気落ちした様子の紫乃を左京が気晴らしにと連れ出したのは、あやかしが運営する市であった。

近辺の長である左京はもとより、斎賀の血を引き、仲間を救ってくれたとあやかしたちは紫乃のことも歓迎。元農民の血が騒ぐのか、彼らの畑仕事を率先して手伝う彼女の姿を左京は微笑ましく見ていた。久しぶりの農作業は思いの外気晴らしになったようで、彼女も元気を取り戻し左京も胸を撫で下ろしていると、颯からの報告が。彼には竹野内によって殺害された時子の遺体の行方を探るよう命じていた。紫乃に会った時には既に片付けられていて、無縁仏になっているなら、何とかこちらで弔ってやりたいと思っていた。しかし、祟りを恐れたのか、竹野内は部下に命じてあの時死んだ女たちをきちんと寺に運び埋葬及び石碑も立てていたらしい。
颯から場所を聞いた左京は紫乃を連れ、件の寺へ。
あの日から三カ月経って漸く彼女は姉に会うことが出来たのだった。

無事墓参りを終えた紫乃は、一度中村家に立ち寄り姉の死の報告と斎賀家について話を聞きに行きたいのだと左京に頼んだ。
快く応じた彼は数日後、群馬にまで飛び紫乃を中村家に送った。
痩せ細っていた家族は皆、左京の援助によって元気になって血色も良い。
父は娘たちを吉原に売る羽目になったことを詫びていたが、あの時は時子と二人良かれと思って自ら女衒に着いて行ったのだ。左京の外見から父はあやかしだと一目で気付いたらしい。最初は警戒していたが、吉原に行く前に彼に助けてもらったのだと言えば、態度を改めた。
そして、時子の死を伝えると両親は泣き崩れていたが、死因については流行り病だと伝えた。実はあの女衒に騙された挙句、毒を飲まされたなんて家族は知らない方がいい。そうでなければ彼らは一層自分達を責めるだろうから。

二人が落ち着くのを待ち、紫乃は自分の本当の両親は誰なのかと尋ねた。
観念したのか、父が語ったのは十数年前のこと。
陰陽師五家の一つであり由緒正しい斎賀家の当主は代々女性が務めていたのだそうだ。類まれな力を持ちあやかしを魅了する。だが、女性であるために五家の中での序列は最下位だった。
そんな境遇の中、斎賀の当主はあやかしと争うのではなく共存しようと唱え始めた。お互い不可侵とすればいいと。だがその意見は帝や他の四家から反対され、斎賀は五家から外された。
以降、当主は無慈悲に狩られるあやかしを助け始めた。だが、それが徒となり斎賀は他の四家から疎まれ、やがて命を狙われるように。中村家は斎賀の忠実な臣下であったが、父の代になると斎賀家の者は姿を隠しており、その行方を知る術はなかった。
そんなある時、農民に身をやつしていた父の元に斎賀の当主夫妻が訪れ、5年後に自分達が迎えに来なければ普通の子として育てて欲しいと抱いていた赤子を託した。
養育費としてかなりの金額も一緒に渡され、忠義者の父は快く引き受けたが、約束の5年が経っても当主夫妻は現れなかった。先代からも陰陽四家から命を狙われていたと聞いていたから殺されてしまったのかもしれない。約束通り、農民の娘として育てることを決めた。
だが、時子が重病を患い、その治療費が嵩んで紫乃の金を使い込んでしまった。ひもじい思いをさせてしまったと父に詫びられたが、両親や姉弟には感謝しかない。時子が随分と気に病んでいたと聞き、自分の代わりに毒を煽った姉の心情が判った気がした。

父の話によって、実の両親、それに斎賀のことも知ることが出来た。
斎賀家はあやかしとの共存を願い、その強大な力を恐れられ厭われていた。恐らく両親は四家のうちの誰かに消されたのだろう。でも、斎賀の血と能力が受け継がれないのを承知で中村家に紫乃を託した。飽く迄娘の命を優先したのだ。
颯からの報告では竹野内の失敗により、政府が新たに他の陰陽師に天狗の討伐を命じたらしい。四家のうち三家はしり込みしているそうだが、昔からやり口が悪辣な阿久津が名乗りを挙げたとのこと。
手毬の母をだまし討ちしたり、左京に呪詛を掛けた男。
斎賀家当主夫妻も奴の手によるものかもしれない。
屋敷に戻り、暫く平穏な日が続いていたが、紫乃の元に一人のあやかしが助けを求めにやって来たことで事態は変わり・・・。


シリーズ2作目です。
紫乃の実の両親の謎が明かされたわけですが、不可侵を貫きあやかしとも上手く共存していくべき、という斎賀家のモットーの方が正しいのに、受け入れない政府と他の陰陽師四家。
五家から外されたし、じゃあ独自に動くねと、理不尽に攻撃される罪のないあやかしたちを救っていたら、危険視された上に命を狙われる当主。
その追撃に姿を隠していた斎賀家は紫乃の両親の代で途絶えるはずでした。
何の運命か、下っ端陰陽師が欲をかき白天狗(左京)の討伐を目論み、毒餌に選んだのが紫乃だったと言う。結局事件を切欠に彼女が自らの力に目覚めたのが前巻のお話。今作では復調して育ての父から事情を聞いて斎賀の者として生きることを選ぶ、という内容でした。
実はこの斎賀家の代々の当主は皆強者揃いで、印を結ばずとも術を使い、得意技は呪詛返しというとんでもない人達でした。当然、紫乃も同等の力があり、両親の仇でもある阿久津と対峙した際も見事に返り討ちにしていました。
敵討ちを果たし、新たな一歩を踏み出した彼女と左京の恋も最後の方で漸く進展。彼の宿敵でもある法印との決着もまだなことを思うと、最低でもあと1冊は続きそうですね。


評価:★★★★★





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最終更新日  2024.09.09 12:13:26
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