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2024.10.13
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カテゴリ:ベリーズ文庫


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2024年9月刊
ベリーズ文庫
著者:滝井みらんさん

秘書OLの薫はアラサーの独身。昔の恋のトラウマのせいで、誰にも愛されない人生を送るのだと諦めていた頃、外科医・涼と出会う。甘く包容力ある彼に惹かれ一夜を共にしたのをきっかけに、猛溺愛が始まって!?とめどなく愛を注ぎ続ける涼に、薫の凍てついた心は溶かされていく。やがて双子の妊娠が発覚!海外赴任する彼の将来を思って身を引くがー「絶対に離さない」涼の一途な熱情は止められず…!

​     ↑楽天ブックスより、あらすじ引用

登場人物
  月城薫=マンガ好きのアラサー女子。上司である悠に憧れていた。
 綾小路涼=心臓外科医で悠の双子の弟。
 綾小路悠=大手総合商社の御曹司で副社長。
綾小路真理=薫の後輩。少し前に悠と結婚した。


友人の披露宴で神戸に来ていた薫は、しつこいナンパに遭って困っていた所を、憧れの人に瓜二つな男性・涼に助けられた。
彼女が上司である綾小路悠に失恋したのは数か月ほど前のこと。​可愛がっていた後輩の真理が彼に見初められ、交際の末に入籍。最近妊娠しているのが判り、近いうちに退職することが決まっている。
大学時代の彼氏に浮気されて以来、なんとなく恋愛から遠ざかっていた薫は、そのうち恋愛漫画にのめり込み、ドはまりしていた漫画のヒーローと悠が似ていた事から憧れを抱くようになっていた。でも、真理は本当に良い子だし、悠も見る目あると思う。
今は二人の幸せを祈るばかり。

だが、薫ももう32歳。
同級生たちは次々結婚して行き、未だ独身なのは薫を含めてあと数人。
田舎気質の母と姉からも結婚をせっつかれ、いい加減うんざりしていた。別に好きで独身でいる訳じゃない。ただ、これという相手と出会えないだけだ。
そんな最中、出会ったのが彼だった。

似てるのも当然、涼は悠の双子の弟で、祖父が興した会社には入らず医師の道に進んだそうで、現在心臓外科医をしていると言う。
薫がお兄さんには本当にお世話になって、と挨拶すれば兄夫婦から評判を聞いていると初対面からかなりの好印象を持たれていたことにビックリ。
その後、話も弾み酒も入っていた薫は色々虚しさや寂しさもあって、つい彼に甘えてしまい双方同意の元、一夜を共にしてしまった。が、翌朝目覚めた彼女は自分がしでかしたことに蒼白。
別室で電話している涼を残し、一人ホテルから逃げ帰った。

あれは一時の気の迷い。
そう言い聞かせて仕事に打ち込んでいた薫は、姉から入院中の母が危篤と連絡を受け、急ぎ故郷の福井へ。義兄の実家が経営する病院に入院していた母は末期の肺がんで、余命宣告もされていた。優秀な姉ばかり贔屓する母とはそりが悪かったとはいえ、どうしてもっと会いに来なかったんだろう。
母は息せき切ってやって来た薫の到着を待っていた様にその後すぐに息を引き取った。義兄の話では最後は痛みも無くいけたからと慰めてくれたが、薫は罪悪感に苛まれるように。
ストレスでよく眠れず食欲もわかない。げっそりやつれた薫を真理や秘書室長の上杉は心配していたが、そういう気遣いも煩わしい。しかし、ついに限界が来て薫は会社で倒れた。

処置を受けた彼女が目を覚ますと、横には白衣姿の涼が。
この病院に勤めていたのか。ぼんやり考えていると過労に栄養失調なんて、どうしてそんな生活をと彼に聞かれ、母の死で色々思うことがあったと語る薫。すると何を思ったのか俺はもう上がりだから、うちで面倒見ると涼が言い出した。
点滴のおかげでなんとか歩ける。いや、自宅に帰るのでと押し問答した結果、家まで送って貰うことに。だが、自宅のあるマンション方面が騒がしい。それになんか焦げ臭いような。
嫌な予感がしているとマンション前の道路が消防車で一杯。
鎮火も間近のようではあったが、ほぼ全焼していた建物は紛れもなく薫が住むマンション。住人だと言うと警官が気の毒そうに名前と勤め先、臨時で連絡のつく電話番号を尋ねられ、出火の原因は薫の部屋の隣人によるたばこの不始末だったと知らされた。
へたり込みそうな薫を支えたのは涼で、彼女を車に乗せ自宅へと連れ帰った。

火災保険も降りるけれど、最低一ヶ月はかかる。
せめて1週間は安静だと涼に諭され、渋々束の間の居候生活に薫も同意。
涼は手術も多く多忙のため、あまり家にいないせいか、好きに過ごしていいの言葉に甘えてゴロゴロできているおかげで数日も経つと大分体調も良くなっって来た。
お礼にと夜食を作ってみたり彼女なりに恩返ししてみたが、想像以上に喜んでくれるので面映ゆい。憧れていた人と同じ顔で愛しそうに私を見ないでほしい。
復調しても彼の部屋は居心地が良すぎてズルズル居候してしまっているうちに、段々と涼に心惹かれていく薫。それからしばらく経ち、彼からの告白もあって恋人関係になった二人。
幸せな時間は瞬く間に過ぎて、涼は心臓血管外科部長の橋本からドイツ行きを打診された。そこで学び、3年後には部長職について欲しいと。
思ってもみないチャンスではあったものの最低でも2年はドイツ暮らしになる。薫と籍を入れ付いて来てほしいが、彼女にも都合があるだろう。
話を切り出せないうちに日々は過ぎ、妊娠に気付いた薫はある選択を迫られていた。涼の後輩医師からどうか彼をドイツに行かせてやって欲しいという寝耳に水な話は、きっと彼も言い出せなかったんだろう。涼の足かせになってはいけないと薫は別れを決意し・・・。


余計なこと言うなや、後輩。
これちゃんとタイミングが合っていれば、そのまま結婚して二人(とお腹の子)でドイツ行けたよねぇ。変に気を回した薫は涼に別れを告げ、海外転勤の間管理して欲しいと頼まれた大学時代の先輩の部屋に引っ越し、妊娠のことも継げぬまま会社も退職。
突然のことだったので、会長始め綾小路家の面々は薫のことを心配していました。その間、涼は一人ドイツへ。
薫の方は妊娠5ヵ月になった頃、偶然義兄と遭遇。
双子を産むと聞いて心配した義兄が無理矢理彼女を福井の自宅へ連れ帰ります。お姉さんには結婚を急かされてはいたものの、妹のことはいつも気にかけており、亡くなった母さんもあなたを嫌っていたわけではないと告げます。
この姉妹のやり取りは読んでてちょっと泣けました。
出産まで姉の家族に支えられ、無事に双子の姉妹を出産した薫。
娘たちの世話を甥っ子が積極的に買ってくれて子育てに奮闘していた薫の元に涼が現れ、という展開です。まぁ嫌いで別れたわけじゃないからなぁ。
日本人は働きすぎ、しっかり休んで愛する人の傍に居ろというドイツの心臓外科の名医の言葉と、薫に余計な事を言ってしまったと打ち明けた後輩の言葉により、彼女と子供たちを迎えに来た涼。
色々誤解はあったものの、後に二人は入籍。エピローグでは2年後、義理の姉妹になった真理との交流等が描かれて本編は幕。
シークレットベビー要素もありましたが、辛い展開は終盤ちょこっとなのでモヤモヤ度はかなり少な目。ヒロインの言動が一々可愛いのも良いです。

そして、すぐカバーしちゃうのでシリーズもの(というか兄弟の話)と気付かず、先に2作目を読んでしまいました(^_^;) 前作は真理ちゃんと悠のお話。
とはいえ、未読でも問題は無かったように思います。


評価:★★★★☆





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最終更新日  2024.10.13 13:01:52
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