マンション管理士イダケンが管理をグッと良くする

2016/03/06(日)16:39

【大規模修繕で大損するかも(4)】長期修繕計画

マンション大規模修繕のこと(152)

修繕の実施のタイミングは、「長期修繕計画」の周期を判断材料としている。このようなマンションは多いと思います。ほとんどのマンションの長期修繕計画は管理会社が作成。管理会社の経験観測や文献等を参考に、工事項目ごとに修繕周期を定めています。実際には、環境、新築当初の施工品質、これまでのメンテナンス(延命措置)によって、建物・部位ごとの劣化の進行具合は変わってきます。資金(修繕積立金)が潤沢にあるマンションならば、常に安全を見て早め早めにと考えることもできますが、収支ギリギリで資金計画を立てているマンションは多く、本当に必要な時期に必要な工事を行いたいと考えるはずです。建物・部位ごとに劣化状況が異なっているはずなのに、長期修繕計画通りの周期で、計画通りのメニューの工事を提案する。金額が高い足場を架ける大規模修繕や給排水管の更新、エレベーター、機械式駐車装置、インターホンの交換等はまさに長期修繕計画通りのタイミングで提案されます。「修繕のタイミングはどうやって判断するんだよ?」と言う質問が聞こえてきそうですが、インターホンや給排水管を除き、建物・エレベーター・機械式駐車装置は管理会社が日常管理で、点検を行っているはずです。管理会社から修繕の提案を受けた際には、まずは過去3年くらいを遡り管理会社実施の点検報告書を確認しましょう。本当に修繕が長期修繕計画の周期で必要なのかの基準にはなるはずです。また、足場を架けた大規模修繕は概ね12年周期で計画が立てられていますが、毎回同じメニューで工事をする必要があるのでしょうか?状態が良ければ部分補修による延命を図る。足場が不要な箇所で劣化の進行が遅ければ、今回の工事では補修箇所の対象から外す等のメニュー変更をすることで、適切な時期に適切な範囲で工事を行え、コストがトータル的に圧縮することが可能です。外装の修繕時期についても、大規模修繕や日頃のメンテナンス(延命措置を含む)をしっかり行えば、12年から15年程度に周期を改め、計画を立てることが可能かもしれません。(50年周期で考えると12年周期の場合4.2回、15年周期の場合3.3回で済み、その分トータルコストが下げられます)大規模修繕の準備をしているマンションは、長期修繕計画と併せて工事メニューを検討することが必要だとイダケンは思っています。今回実施される大規模修繕のメニューは次回以降の修繕に影響を及ぼし、トータルコストが変動するからです。 長期修繕計画を鵜呑みにし、工事を行うと、大きな損になるかもしれません。【お知らせ】平成28年3月21日(祝日)15時から新宿にて、イダケン事務所主催のマンション管理セミナーを開催します。今回のテーマは、ブログ記事にも関係がある『あなたのマンションは大損をするかもしれません!?~大規模修繕工事の失敗例から学ぶ教訓~』です。イダケン事務所所属の一級建築士とマンション管理士が、このブログ記事より掘り下げた内容の濃いお話をさせて頂きます。詳細は下の画像をクリックし、案内ページをご覧ください。   にほんブログ村

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