七夕で26年ぶりに再会したのはいいけれど。
七夕の日、織り姫と彦星が、久し振りに再会するという逸話のある日、プロ野球のオーナー会議が行われた。その日は、あと一組の合併話という隠し球もあったが、堤オーナーが、26年ぶりに、オーナー会議に出席した事が話題になった。それにしても、堤氏は、記者の質問に対して、いずれの球団も赤字であるという発言をしたが、26年もオーナー会議に出ないという、球団運営そしてプロ野球全体のことに対する不真面目さが、球団の赤字を作ったように感じた。西武という球団が当時は、西武も儲かっていたから、赤字でも、イメージ向上となるために始めたのであろう。つまり、赤字覚悟ででも、メリットがあるから始めたのに、赤字が理由で止めるという話は、腑に落ちない。そして、なぜ、今まで、オーナー会議に出てこなかったのに、いきなり出てきて、別の合併話を切り出すのか。これも、腑に落ちない。納得がいきやすいのは、ナベツネの援軍として、26年ぶりに現れたという説が浮かび上がってくる。それにしても、26年というのは、長い。松田聖子がデビューして25年ということだから、松田聖子がデビューする前から、その娘が年頃になってデビューして、数年経つという長い時間である。残念ながら、真剣にプロ野球の球団のオーナーをやっていたとは思えない。球団の母体になる会社のグループ合計の単年度の利益額を考えると、いろいろ球団を見渡すと、パ・リーグの球団の方が、セ・リーグより利益額が大きい球団が多い。まあ、ダイエーは、借金まみれではあるが、これだけの会社が倒産されると、社会的な影響が大きいと、いろいろ援助策がなされており、妙な形で経営の安定した企業になっている。その部分を棚上げにして、赤字だから、合併したいというのは、身勝手すぎるし、自分の球団のファンや、プロ野球ファンをバカにしていると思う。しかも、これは、箝口令が出ているからかも知れないが、「▽ダイエー・高橋広幸社長の話 合併は全く想定していない。ダイエーとしては福岡に単独で継続保有するというスタンスに変わりありません。」「▽ロッテ・重光武雄オーナーの話 (新たに進行中の合併球団はロッテか)分からない。1リーグには基本的に賛成だ。」というコメントを新聞記者に寄せている。ということは、誰かが、10球団にしようと、本人たちが了解を得ていないのに、情報をリークし、なんとなく、そういう方向に向かうように仕向けているのではないだろうか。このあたりの、腹芸は、かなりうまいみたいで。単に高圧的な態度で接しているだけではないようだ。たとえば、近鉄とオリックスが合併することで、合併した球団が、大阪と兵庫の両方を本拠地に出来るようにするために、我がタイガースに対し、タイガースも従来の甲子園のある兵庫だけでなく、大阪も本拠地にできるように説得されつつあるという報道もあった。これが、実現すれば、大阪や京都でも人気があり、大阪の名物という認識が高いという、タイガースファンの実態に近づくことではあるが、現状でもまったく問題がない。喜ぶのは、エセ阪神ファンで有名で、映画ミスタールーキーまで出てしまった、大阪人に媚びようと必死になっているが、実質は官僚の手先、太田房江大阪府知事ぐらいだ。神戸市には悪いが、オリックスが主体となるだろう、近鉄+オリックスの球団は、近鉄もそうだが、オリックスの本社に近い、大阪ドームに専念した方が、大阪の球団がなくならずにすむし、オーナー企業のイメージとのギャップが少なくなる。財政再建団体に陥ろうとしている大阪府からの金が入る可能性はあるにしても、タイガースにとっては、あまり、おいしいとは限らない。しかも、ここで、合意してしまったら、タイガースのオーナーも、ナベツネの思惑で動かされてしまった事になる。これでは、対ナベツネという、タイガースの選手やファンの一つのよりどころが揺らいでくる。これは、イタイ。また、ダイエーとロッテの合併案だが、王監督は、いろいろ、後席はあったものの、結局、ジャイアントから冷遇されている事と連動しているのかもしれない。だからこそ、見返してやりたいという気持ちとなり、それが、ホークスを日本一にさせた原動力となっていたように思う。いずれにしても、近鉄とオリックスの合併、ダイエーとロッテの合併は、結果として、アンチナベツネパワーをそぐための効果的な手段でしかないように思う。また、もともとタイガースファンといわれ、別のチームで同じまた、縦縞のユニフォームを身につけている、古田選手が、反ナベツネの一つの先頭に立っている。前回、前々回のオリンピックの時も、古田選手は、ナベツネによって翻弄された一人である。古田と交流のあった選手は、ナベツネにとって、都合の悪い選手になるように見えたのか、アマチュア選手とどうやって、古田選手と接触しないように、さまざまな圧力をかけたことだろうか。古田選手には、タイガースを昨年優勝に導いた、星野前監督とどこか共通点を感じる。今のプロ野球をまともにできる、唯一の選手かも知れない。是非、応援したいところだ。そして、いろいろ、考えてみると、去年が、日本のプロ野球の一つの終わりの年だったのかも知れません。また、ナベツネが、性急にいろんなことに動いている様子を見ると、もしかすると、そろそろ、自らの死を意識しだしたのかもしれない。だからこそ、死ぬ前に、最後に、自分のいいようにしたいのではないだろうか。亡くなるまでの何年間かは、プロ野球の暗黒の時代となるだろう。そして、それからプロ野球が復活できるかは、微妙だと思う。ただ、今のプロ野球は、反ナベツネという所で、なんとなく、結束している部分があるだけに、ナベツネが力で全てを押さえてしまっても、ナベツネが死んでしまっても、プロ野球が暑くなる構図を失ってしまう。今回は、前者だとしても、後者のように死んでしまっても、同様にプロ野球は熱くなれないだろう。もしかすると、反ナベツネとは別のモチベーションを、プロ野球ファンは見つけないといけないのかも知れない。今回は、そのチャンスかも知れない。