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カテゴリ:町おこし・聖地巡礼
山あいや平原の真ん中など、人里離れた場所にたたずむ「秘境駅」を訪れる旅がひそかなブームを呼んでいる。鉄道ファンが開設したホームページ(HP)から火が付き、JR東海が企画する「秘境駅めぐり」のチケットは、毎回ほぼ完売という人気ぶり。懐かしい木造駅舎や駅を包むありのままの自然など、都心部のターミナルにはない姿に魅力を感じる人が多いようだ。
列車の到着を告げるアナウンスに、虫の鳴き声と鳥のさえずりが重なる。緑の合間からあずき色の車体が顔を出し、ブレーキ音をきしませる。誰も降りず、誰も乗らない。車輪の音が遠ざかり、木々のざわめきだけが駅に残った。 9月中旬、兵庫県の北西に位置するJR山陰線、居組(いぐみ)駅。1日の乗降客数が約30人という無人駅で、周辺に人家はない。 「どえらいところにあるなあ」 妻とマイカーで訪れた朝来市の男性(68)が驚いた。山陰線沿いを西に進むドライブの途中。1911(明治44)年の開業当初から残る木造駅舎をしみじみ眺め、「都会の駅にはない味わいがありますよね」とつぶやいた。 「秘境駅」の名付け親とされる鉄道ファンの会社員、牛山隆信さん(45)=広島県三次(みよし)市=によると、ブームが本格化したのは2000年代中ごろ。兵庫県内では、日本海が真下に見える山陰線鎧(よろい)駅や、渓谷の上にかかり、ホームの一部がトンネル内にあるという珍しい構造のJR宝塚線武田尾駅なども人気という。 牛山さんが運営するホームページ「秘境駅へ行こう!」のアクセス数は現在、1日平均千件にまで上昇。「秘境駅は都会の騒がしさから離れた癒やしの空間。日本の原風景として、ふるさとの思い出を重ね合わせる高齢者も多い」と魅力を語る。 ブームを背景に、JR東海は、愛知県と長野県を結ぶ飯田線の秘境駅をたどるツアーを10年から行っている。特定の駅だけに停車し、散策する時間も確保する特別列車で、今春に運行した6日間はほぼ満席だったという。同社関西広報室は「鉄道ファンだけでなく、景観を楽しむ乗客も多い。マニアックなところもありますが、発売早々に完売する人気商品です」と話す。 【記事全文】2012年10月13日 神戸新聞 「秘境駅」めぐり、ひそかな人気 ツアーも毎回完売
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Last updated
2012年10月14日 10時23分01秒
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