道路の深い亀裂に矢野君が落ちてしまった。工藤さんが亀裂に腕を入れて助けようとしているが、なかなかうまくいかない。皆で心配して亀裂のなかを覗き込んでみると、中は真っ暗で何も見えない。大谷さんは「何か長いもの長いもの」などと言って走り回っている。やがて川手さんが怒り出して「こんなことしていたら澁谷さんが遅れてしまうから、取り敢えず駅まで送りますよ」と言われ、二人で駅に向かって歩いた。9:30頃起床。またパンとコーヒー。すぐにチェックアウトとなり、ホテル前で玄さん、ゑでぃさんと合流。立ち寄ったコンビニの前でまたもや物乞いする野良猫に遭遇。倉敷へ向かう車中で睡眠。停車すると、駐車場には工藤さんの車が既に止まっていた。蟲文庫まで皆で歩く。静かで味のある家並みに皆、魅了される。蟲文庫はそういう家並みの只中にある古本屋で、阿佐美さんによく似た雰囲気の田中さんという女の人が一人で経営していた。工藤さん、礼子さん、武智夫妻と合流。田中さんにお茶を頂き和む。店の奥は座敷になっていて、こたつ、2匹の猫、顕微鏡などがある。裏庭の様子もとても綺麗だった。行く前に店の前で記念写真撮る。田中さんから、店の前に出してあった多肉植物のかけらをもらう。岡山へ向けて再出発。工藤さんからお握りなどもらう。近くのイエローハットに寄る。カーステのカセットデッキを他の機器に接続する機械を杉本さんと共同出資で購入。テールはイエローハットでは直せなかったらしく、別の工場へ。修理の間、ショールームで休憩する。めでたくテールランプも修復され、岡山の禁酒会館へ移動。大正に建てられたというクラシックな造りの建造物で、夢に出てきそうな場所だ。演奏するのは二階のホールで、ピアノもある。大きな窓が開けてあって気持ち良かった。大谷さんとピアノの連弾をして遊ぶ。同じ階にあった骨董家具屋で可愛いコップを見つけたのでナツへのお土産にする。他にも折り畳み椅子や物入れなど、どれも値段が手頃だった。マヘルのリハ開始。礼子さんによる歌詞と説明などが皆に配られ、演奏のメソッドもより整理された。後半に加えられた「夏」でピアノを弾くことになり練習する。リハ終了後、小林君、杉本さん、武智夫妻と近くのラーメン屋で食事。暖簾に「とりそば」と書いているのでそば屋かと思ったが違った。隣の店との客の入りのギャップは漫画みたいだった。会場に戻ると、入り口で村岡さんとばったり会って驚く。そうか、地元なんだな。ちょうどゑでぃまあこんの演奏が始まるところだったので入り口の脇で聴き入る。ゑでぃさんのギターとベースの人とのバランスが絶妙にツボを突いてくる。横で、工藤さんが健一さんにベースの特訓をさり気なくしているのが見えた。今日のマヘルは昨日のメンツに加えて武智夫妻が参加。前半は田中さんのために礼子さんが選曲した「目が覚めるように」「春」が加えられていた。よく知っている曲なのに、ライヴならではの不思議な緊張感が淀みなく礼子さんの声によって伝播していくのが分かる。「彼岸花」「きんもくせい」「ねこ」「いちじく」も昨日より良かったと思うが、「滝」はリズムが取れなくなり少々不満が残った。後半は「moving without ark」で鉄琴、「a big hug」「荒野のペリカン」「おーとうー」でドラム、「morning glory」でメロディオン、「なみのこえ」でギター、「紅い花」でまたドラム、「ma-on」「復活」で手拍子、「夏」でピアノ。玄さんが、工藤さんの床踏み鳴らしをリハで承認したのが祟って今日は踏み鳴らし放題という感じだった。窓を開けて外に向かってクラ吹いたりという無法もあった。長谷川さんの親御さんが引くのも至極当然と思えるが、「あまり深入りしないほうが...」という意見には、決して無理にやめさせようという無理解もない代わりに、ある種のマヘルへの批評性も帯びており、よく考えるとなかなかの親御さんだと思ったりした。広島名物もみじ饅頭を頂く。ライヴ終了後、禁酒会館の前でしばしたまる。工藤さんが明日の打ち合わせをしておきたいというので、近くの「サウダーヂの夜」というカフェのようなバーのような店へ皆で移動する。打ち合わせには、玄さんの仲間で今日もスタッフだった吉村さんも明日はラッパで加わることになり同席。鴨島路上は客層を考慮して明るめでブラバン的なものを選曲することになり、それぞれ提言する。僕の案はほとんど却下されたように思うが、唯一「伊予万歳（溝之辺騒動）」が採用されたので嬉しかった。打ち合わせを終え、店の前で工藤さん、武智夫妻と別れる。他の者は全員、玄さんの友達の小林さんという人の家に宿泊ということで移動。車でちょっと行った住宅街にある小林さんの家（家主は仕事で不在だった）は、古い作りの大きな平屋で、なかなか贅沢な家だった。小林さんのビデオコレクションに親近感を持つ。小林君、大谷さん、杉本さんらと近くのコンビニへ買い物に行くが、帰りにちょっと迷う。幕の内弁当とカップヌードル食す。皆早く寝るのだろうと思ったが、案外雑談とどまるところを知らず、楽しい夜となる。
