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カテゴリ:棋書
結城九段の「決定版 大斜・村正・大ナダレ」を購入した。
「はじめに」を読むと、「感情を交えずに淡々と書かれる」ふつうの定石書と違い「ガラリと 趣を変え」て、「一般的な情報だけでなく、ボクが知っているエピソードを盛り込み、楽しん でもらえるように作りました」とある。 また、「囲碁・世界の新手法ガイド」と「内容が重複しないように作りました」とあり、「こ の二冊をあわせ持つことをおすすめします」とのこと。 (二冊とも買わせようという魂胆かい!と思わないでもない。) 「大斜・村正・大ナダレ」といえば、同じ誠文堂新光社から昭和56年に発行された、小林光 一名人(当時)の「早分かり 大斜・村正・大ナダレ」がある。 私はこれを20年以上前に購入して今でも読んで重宝している。 小林版はまさに淡々と解説されている印象である。 結城版は小林版に比べると、新しい型の紹介にウェイトが置かれているので、小林版の方が、 解説されている型は多いと思う。 結城版では触れられていない小ナダレの解説があるし、二間高バサミに関しては、大ゲイマに ツッパリなど、色々詳しく解説されている。 結城版は古今東西50,000局以上の棋譜から定石が使われた厳選したとあるだけに、実戦 譜からの紹介というスタイルをとっている。 「はじめに」にあるようにエピソードが盛り込まれており、その関西テイストが肌に合わない 人もいるかもしれないが、それなりに楽しめる。 結城九段が三子局で下手の棋力判断に使うという大斜の変化も紹介されている。 また、旧、新、廃、劇、試というマークをつけるなどの工夫もなされている。 この結城版は「決定版」と謳われているものの、「大斜・村正・大ナダレ」のすべてが網羅さ れている訳ではないから、期待外れと思う人もいるかもしれない。 ただ、新しい型について詳しく解説してくれているのはうれしい点である。 小林版で過去の変遷を押さえた上で、結城版と「囲碁・世界の新手法ガイド」をあわせて読め ばかなり詳しくなれると思う。 と、偉そうなことを言っているが、私自身よく分かっているわけではない。 小林版にしろ結城版にしろ、かなり難しい変化が多いと思う。 かつて小林版で勉強した頃は、実際の対局で何度となく間違いを繰り返したものだ(結構忘れ ちゃった変化も多いが)。 間違いを繰り返しつつ、少しづつ身につけるものなのかな、と思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.05.16 00:15:02
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