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2005/11/29
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 太陽光発電は広い意味で水素エネルギーの一種だと言ってよいでしょう。太陽が燃えているように見えるのは、そこで核融合反応がおきているからです。核融合は重水素の原子核同士が一つになって、ヘリウムの原子核になるプロセスでエネルギーを放出するという物理的な反応のことです。太陽光発電システムは、太陽が放射しているエネルギーを電気に換えるための装置です。太陽電池は、水素原子の核が融合した結果生まれでたエネルギーだと言ってよいのです。核融合炉ITERは、この反応を地上で制御しようとする計画です。


 太陽電池が環境負荷の原因になるのは、製造段階と最終処分の段階です。現在のところ、装置の寿命は年々伸びているので、寿命を更新し続けている状態です。電気を貯めておくシステムに切り替えたら、太陽電池が生んだ電力を使って太陽電池のセルをつくることができます。このようにすれば、環境負荷を大幅に減らすことができるでしょう。太陽電池がいたる所に設置される時代がやってくれば、温暖化は改善される可能性があります。そのためには、蓄電デバイスの選択と直流化の推進が必要です。このステージでは送電する必要そのものが消えています。核融合炉ITERが無用の長物であったということが、その頃になると誰の目にも明らかになるだろうと思われます。大規模発電は高圧送電が必要となるため、交流電流でなければなりません。交流送電に無駄が多くなっていることから、発電した電気エネルギーの30%程度が捨てなければならなくなっているのです。


 太陽光で発電した電気は従来捨てて顧みられることがなかった光から取り出したものであるため、そのエネルギーは100%の価値があると言えます。既存の発電効率と比べて見劣りがしているように受け取られているのは、単純比較している所為なのです。太陽光発電は6%から13%程度(市販レベル)であるのに対して、原子力で33%程度、火力で20%から50%を超える(コンバインドサイクル発電)ものまで多種多様です。しかし、エネルギーは熱の相をとった段階で、その半分が一律に失われてしまうものなのです。そこから電気エネルギーの相へと遷移するために、通常の火力発電ではそれが更に半減されてしまっていたのでした。太陽電池は熱エネルギーとなる段階をもちません。光から直接電流を取り出すことができる装置です。


 コンバインドサイクル発電の効率が高いのは、単一の熱源から二段階で発電することができているからです。25%の発電効率を二度続けたら、50%になるというだけの話なのです。太陽電池はゼロだったエネルギーから電気を取り出しているため、特別の価値をもっています。既存のエネルギーは資源として100%だったものを50%に落とした後で、あらためて20%なり30%なりの効率で電気を作っています。つまり、70%から80%のエネルギーを価値のないものに換えることで得ていたのでした。その高い方の比率である損失の部分に注目したら、温暖化が資源だけの問題ではなくエネルギーロスの問題だったことがみえてくるでしょう。風力発電は、自然がもっているポテンシャルを高い比率で有効利用することができています。その能力が正しく評価されていないのは、交流送電に依存する道を選択したからでした。


 原子力では、バックエンド対策費という項目が今注目されています。これは核廃棄物の最終処分コストを、国と地方公共団体及び電力会社がどう負担するかという問題がおきているからです。従来は政府予算の中から捻出されていたため、発電コストを低いレベルに抑えることができていたのでした。会計処理の選択如何では、温暖化対策費の増加が今後注目を集めるようになるでしょう。国の支援策である温暖化防止対策に充てられた莫大な費用なども、原発の推進のために交付されている政府予算と同じ性質をもっています。火力発電のコストには、この温暖化防止のための費用がまったく含まれていませんでした。そのために温暖化防止に効果があがっていなくても、電力会社と国民とは相共々に電力コストの全容をみないまま過ごしてきたのでした。その結果、国の財政赤字は膨大なものになりました。日本の国債を買う国がどこにもないのは、それが非常にリスクの高いものになってしまったからなのです。デフォルト状態になる確率が高ければ、それは投資とよぶよりもギャンブルと呼ぶべきものであるからです。

(デフォルトというのは、借金を返済することができないという状態のことで、債務不履行という訳語が充てられています。平たく言うと、国の経済が破綻するということを指している言葉です。ですから日本の国債を買えるのは、日本人だけしかいないという状態になっていることを承知しておいてください。日本が国として抱えている赤字は、全体でこれほどまでに膨らんでいました。海外からの日本国債に対する投資は、僅か5%であるに過ぎないのです)


 このようなバックグラウンドのあることを、国民の殆どは承知していません。情報が国から積極的に公開されることがなかったからでした。原子力にはバックエンド対策費(電源開発、電源立地等というその他の諸項目は取り敢えず除外しておきます)、火力発電には温暖化防止対策費と省エネルギー対策費とが、そしてこれからは新たに「炭素税」という項目さえもが加算されようとしているのです。炭素税が温暖化防止に効果があるかどうかは、ここで今、改めて言及するべきことではありません。このブログをお読みいただいていたら、おおよその見当はつくはずです。温暖化を本当に憂慮しているなら、二酸化炭素を少なくする発電方法に切り替えるか、または新エネルギーによる分散電源化を図る以外にその方法がないことを知らなければなりません。


 エネルギーコストは一般に確定しているものなのですが、電力分野に関する限り表と裏のそれぞれの事情がみえていないと、正しい判断をすることができません。表のコストに現れていない裏のコストが、財政赤字の原因になっていたことを再確認して欲しいと思います。このことを承知した上で温暖化対策や、増税などの問題を再検討するべきだと思います。多くの問題が関連し合って財政赤字と温暖化に繋がっていたことが、よりはっきりと見えてくるだろうと思います。問題のもつ意味がもし見えていたのなら、試行錯誤を何年も続けるようなことはなかったはずです。しかも効果が得られない、というこのような事態に陥ってしまうことはなかったのでした。


 交流送電がもたらしていた主な問題について、これまでざっとみてきたところです。従来の対策が何故効果を発揮できなかったのかが、立体的に見えてきたでしょうか。問題の意味が見えてきたら、答えはその裏に書かれていることがわかるでしょう。表側の問題とは逆のことをやれば、それが正解となるからです。たったそれだけのことで、温暖化問題を解決する糸口を見つけることができるようになるのです。
 今までは問題そのもののもつ構造的欠陥がまったく見えていませんでした。そのために、エネルギー消費のみを如何に少なくするか、というという隘路へと入り込むことになったのです。温暖化という問題を引き起こしているのは、紛れもなく人間です。そして、問題を見ないまま過ごしてきたのもまた、この人間というイキモノでした。自らの不明で地球を温暖化させたことを認めることが、問題を解決するための出発点です。それができるようになったら、この先でお話しすることになる事柄がもつ意味を正しく理解することができるでしょう。





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最終更新日  2005/12/31 09:30:22 AM
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