312187 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

いい星つくろう

いい星つくろう

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2008/01/24
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
単にドル安政策を精力的に進めていけば、アメリカの抱えている借金はひたすら減りつづける。原油価格が高まり続けると、代金を決済するための通貨であるドルの需要も連動して増加する。ドル通貨を随時発行することができるための条件とは、市場で出回っているドルが、余っていてはならないということである。そこでFRBがやっていたこととは、機動的な金利設定の変更という措置だった。

 過剰に流通しているドルが市場に大量に残っているのなら、ドル資本が速やかに回収することによって、投資資金としていろいろな分野の投資先へと振り分けられる。円高となっているタイミングであるときには、日本資産を買収することが主目的となっている。円でもっている資産なら、ドルが高くなるまでの間国内要因で円高に転じるリスクはないからだ。普通の商取引では通例、為替予約という方法が多く使われている。為替リスクを避けることができるのだから。

 ドルの買い手が多くなっている場合であれば、ドル高という結果が市場に生じている。円安ドル高という常置を回避するためには、供給量を需要水準以上に増やしてやればよい。FRBはドルを遅滞なく発行して、速やかにこれを供給してやらなければならない立場なのである。人気が高まっているドルを放置しておいたなら、ドルの通貨価値はたちまち上がって高くなってしまうのだ。ドルが大量に売れている状況というのは、アメリカにとってそれだけで巨大な利益となっている。印刷コストだけの問題であるからだ。

 ドルの価値を裏付けている担保性能となっているのが、石油と呼ばれている地下資源であったのだ。石油の単価を上げれば、ドルの需要も自動的に増加する。アメリカはドルの発行経費を負担するだけのことでで、紙幣と同等の価値を持つ外貨を、ただ同然で手に入れることができる国となっていた。そのエージェントとして円滑に機能しているのが、ドル資本と呼ばれていた組織が属する一群だった。

 ドルを売る窓口になっているのは、為替市場に常駐しているドル資本と呼ばれる組織。ドル資本はドルを売る行為と、交換して得た外貨を使って利益をだすことが、義務として与えられている立場なのである。ドルと交換に得た外貨の価値は、その国の資産を買収するために専ら使われることになる。

 問題というのはドルの需要がそこになくても、ドル資本が対外投資をどんどん進めていけば、余っているドルを民間活力が吸い込んだ、かのようにみせることができるというその点である。事実、米政府はファンダメンタルズの結果であるということを、G7の議事録にその都度明文化して強調してきた事実が記録にある。

 対外投資のための原資となったドルは、原油が合理的な理由がないまま長期間高騰を続けているため、ドルの需要全体が高められた結果として、市場でダブついているものを回収しておくための理由となった。過剰流動性を放置しておくとドルの追加発行が不可能となるだけでなく、ドルの通貨価値を毀損して品位を大いに貶めてしまうことになるからだ。

 原油取引の決済で必要なドルを供給し続けている当のアメリカは、追加発行されたドルが市場で余りださないよう、国際金融資本(EU創設以前はドル資本と呼ばれていた)対して、速やかにドルを回収させるよう仕向けてきた。

 当のドル資本はその仕入れたドルを世界に供給することにより、交換して得た外貨を運用することで利益を獲得し、ローカル市場で効率よく運用するためのツールとなし、表向きのドル高復元誘導政策を実施させ、積み上げた外貨準備を使って米国債の需要を高めてここまできた。翻ってM&A市場への資本流入を、同時並行で急増させるようにもなったのだった。

 市場でドルがダブついた状態が続いていると、ドルの価値は下がって通貨インフレを引き起こす。ドル安政策とは世界中で滞留している余ったドルを市場から吸い上げて、外資に海外投資を急がせるという経過を辿る。資産を国際金融資本に買収させることによって、海外資産をアメリカの所有にするための戦略となっていた。


 アメリカが資金難に陥るということは、だから絶対におきないことだったのだ。世界が求めるドルを発行する権利を、常時留保していることが可能だったからである。資本が足りない状況になっているときには、ドルの印刷強化を実施すれば、いくらでも買い物をすることができるからである。通貨発行権を利用してドルを発行し過ぎたら、どこかの無知な国に売りつけてしまえばよい。

 石油消費国のすべては、ドルを買って決済しなければならない身分にある。余っているドルが市場に滞留しているのなら、ドルを新規で追加発行する理由は消えてなくなる。通貨発行権を外貨と交換するための資本として利用すれば、アメリカの資産を増やすという結果も同時に得られる。ドルの発行益は、アメリカに富の山を築かせる基礎なのだ。

 アメリカは人知れず制御されたドル安政策をとったことによって、ドルの流通量を管理しながら外貨資産の増大と、負債の軽減を並行して進めることができる国となっている。基軸通貨の発行権をもつということは、赤字になっても財政破綻しないということなのである。双子の赤字を永年カコッていながら、世界中の市場から獲得してきた利益だけでなく、そこに為替差益まで上乗せした状態で、北米大陸に富を積み上げつづけることが問題なくできている。

 アメリカがこの先どんなに赤字になったとしても、ドルの供給に何の課題も生じない。印刷能力を増減させるという、たったそれだけの問題であるにすぎないからである。通貨価値を裏付けるものが金から石油へと変化したことから、石油の価格を決めているWTIでの取引実績が、世界の原油相場の参考とすべき金額だ、としてこれまで長期間認められてきている。

 WTIは、産油国である米国の原油取引市場であるWEST TEXAS INTERMIDIATEのことである。アメリカはドルの価値を支える原油価格を、統制することができる立場の維持に拘っている。アメリカ産の原油価格が高まれば、その他の取引市場の価格も連動するため、産油国は米政府に制御されているWTIを承知の上で、そこに準拠する市場であることを意図的に肯定している。

 原油価格を高値へと誘導していくことによって、必然的にドルの需要水準は高目へとシフトする。ドルの供給元となっている当のアメリカには、このようにして世界中の外貨を集約しながら、ドルの押し売りを人知れずやっているということができるのだ。これが富の一極集中という国際経済の現状を、アメリカを有利にするための方便として使ってきたのであった。

 71年夏に金本位制から一方的に離脱していたことが幸いとなり、アメリカはローカル通貨に過ぎなかったドルを、その後青天井で世界へ供給することができる身分となった。ドルが基軸通貨として、世界から公認されていたからである。これがドル余り現象を生みだした、そもそもの基本的な原因となって作用した。石油資源を変えない国は経済の成長拡大を、つまり保証されなくなってしまうことになっていた。

 こうしてドル資本がドルの供給で稼いだ為替差益と、当該市場が生みだした外貨の運用益を確保したのち、利益を北米大陸へと積み上げながら、投資家へと効率よく還元することが円滑にできていた。それが後の不動産バブルの発生と崩壊、中国の経済大国化を急がせたことを経て、イラク戦争で石油の価値を高め続けさせ、ドルの過剰流動性を一入高めてリーマンショックを引き起こし、信用経済に対する依存姿勢に警戒感を募らせた。

 ソ連が91年の暮に内部崩壊して消滅してしまったことで、共産圏の共通通貨となっていたルーブル経済圏は、そっくりそのままドル経済圏へと入れ替わった。その結果ドルの発行量が急増することとなり、クリントン政権はドルの発行益を手に入れただけでなく、国債発行に伴う巨大な財政黒字をブッシュ・ジュニアへと引き渡した。だがブッシュ・ジュニアはこの前政権が残した巨額の黒字を、中東で戦争を始めていたことが理由となって、長期的に使うための戦費へと換えてしまうこととなる。

​ このようにしてアメリカはドルを過剰供給しながら、その利益を軍事力の拡充と地下資源の決済通貨として、地球上の至る所で専横的に使いつづけている。ただでさえ供給過剰で余っているドルが、他の国には決して得られないアドバンテージを利用して、ブッシュの時代になってからその利点を最大化していき、国際経済の舞台上でどんどん余らせる状態へと導いたのだ。ドル資本が過剰流動性を回収していながら、捌ききれない程までに肥大してしまい世にゆうドル余り現象となって残された。

 最初に起きるようになったのは貿易黒字国に対するドル安政策だったが、ブッシュの代になって原油価格の上昇圧力を利用するようになり、イラクでの駐留が長期した時点では、NYの株式市場へも流入する量を増やし続けた。その株価上昇の水準がインフレ懸念を加速したことで、元の指標であった平均株価のレベルにまで落ちたのだった。

 ドル資本はアメリカの金利で資本を調達して集約し、需要のある地域へと移動させることを生業としているため、調達金利以上の収益が見込める市場だけを対象としている。日本市場もまたその中の一つに組みこまれ、円ドル相場を形成して国際決済を円滑化する役割を果たしている。ドル資本が日本資産を買収しようとして、アメリカで調達したドルを日本市場で交換に応じると、円高ドル安という状態がその場で発生する。

 この時生じたドル安という通貨価値の変化した状態は、過剰流動性を買い戻した時により多くのドルとなって利益となる。アメリカが抱えこんだドル建ての債務そのものを、軽減する希釈効果を同時に発揮していることになる。しかも大量の米国債の需要を為替介入した国家に及ぼし、ドル建ての公債の人気を一際高める。

 ドル安が続いている限り、世界中の国家に属する中央銀行が買った米国債が、アメリカの国外へと流出することはない。ドル建ての債券を売却して自国の予算に取り戻そうとすると、ローカル通貨の価値を買い戻したその段階で高めてしまう。これら一連の変化を生む価値の移動が生みだした効果で、ドル安政策の利点をアメリカへと与える効果で財政を潤している。​双子の赤字で苦しんでいるフリをしいれば、アメリカの意図に気付く国は生まれでてこない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021/10/19 08:25:28 PM
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X