世界の片隅で小さな声で申し訳なさそうに「スティール!」と叫ぶ!

2023/03/13(月)20:29

6384という真空管、そして6AR6という真空管

真空管(270)

手持ちに6384と6AR6いう真空管があります。 6384は6AR6の上位互換のようです。 左からRaytheonの6AR6(角プレート)、TUNG-SOLの6AR6WA(角プレート)、TUNG-SOLの6AR6(楕円プレート)、 そしてお題のCETRONの6384(青印字)、CETRONの6384(赤印字)です。 CETRON以外にBendix製とTUNG-SOL製もあるようですが私は持っていません。 CETRONの青印字と赤印字は中身は同じに見えます。 単に製造年の違いかと思います。 写真右の楕円プレートは角プレートより製造時期が古いらしいです。 左のRaytheonの6AR6(角プレート)と真ん中のTUNG-SOLの6AR6WA(角プレート)は、瓜二つです。 ロット番号の印字もそっくりです。 これはOEMかもしれませんね...。 ちなみに6AR6WAは、規格表によりますとプレート損失が21Wになっており、2W程のアップらしいです。 こちらが6384の三結特性です。 プレート損失は6AR6より高く、30Wあります。 6384はパルス変調用途でも使えるような球ですが、オーディオ用途のように常に半分は電流を流しっぱなしという用途では、この小柄な球で損失一杯で使うと発熱が間に合わないように私は感じています。 見た目が良いですよね。 ごっつい造りで重量もあります。 こちらは6AR6の三結特性です。 プレート損失は19Wです。 基本的に6384と変わらないカーブを描きますが、若干直線性が悪いかな。 見た目は5881っぽいですね。 因みに参考まで、JJ製6L6GCの三結特性です。 6L6GCはプレート損失に余裕がありますので、280Vを掛けたときは-18~-20Vくらいで丁度良い感じでしょうか。(あまり流しすぎると出力トランスの直流磁化が酷くなっちゃいます) それにしても、JJの球はガラスが綺麗ですよね。 私は6384を市販のアダプタを介してTU-8200R改(ヒーター回路は左右独立した4.5Aスイッチング電源で、オートバイアスの検出抵抗は16ΩにしてIpを絞り気味にしてある)に挿して使っています。 実はどれだけIpを絞りたくてもTU-8200Rのオートバイアスは-30Vまでしか下げられません。 ですので、6384はEp280VのIp60mAで問題なくても、6AR6ではプレート損失の19Wを超過気味になります。 数ワット程度の超過なので、赤熱するわけではありませんが...。 100~200Ωの抵抗とバイパスコンデンサが付いたアダプタを自作すれば、自己バイアス+固定バイアスで-32~-35Vくらいの安定した運用ができるのではと考えています。 もしTU-8200Rの次期型が出るならば、Eg1を-50Vくらいまで対応とIp20~70mAまで5mA刻みの切り替え制御が欲しいところです。 あと、180、220、240、280V、320Vのプレート電圧切り替えとか、 常時監視できる電流計も付けて欲しいですね。 そうすると結構何でも動きます。 完璧で無くてもいいんです。色々な真空管を挿せて楽しめれば。 きちんとした条件で最高の音を出すのはオーディオ玄人さんに任せればよいです。 私たち素人は真空管で遊びたいだけですから...。 ところで、6384を使う上で気をつけることは『音が出るまで1分ちかく掛かる』ということです。 カソードが分厚いのかもしれませんね。 私は最初「壊れたんじゃないか」と思ったくらいです。 しかも音が出るまで1分で、歪みっぽさが無くなって安定するまで更に1分は掛かります。 でも2分ってすぐですから、静かに待ちましょう。(^^;

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