2023/10/17(火)20:52
RAYTHEONのVT-25という真空管
RAYTHEONのVT-25という真空管を紹介します。
以前、RAYTHEONの10という真空管を紹介しましたが、
「また似たような球を買ったんですか」
...と思われそうですが、造りに違いがあります。
右の10はプレートが縦に長く、左のVT-25は横に広い感じですね。
VT-25のベースはセラミックです。
右の10はボックスプレートですが、左のVT-25は楕円のプレートです。
そして電極への配線のしかたが異なります。
左のVT-25のほうがプレートの配線を遠くして高電圧対策あるいはプレート~グリッド間容量に配慮しているようにも思えます。
フィラメント点灯時の様子。
太くて色味のあるフィラメントで、点灯しているのがわかりやすいです。
etracerで特性を測定してみます。
Ep=400VでIpが23mAくらい流れるところを測ります。(古典管ですので、常用なら370~380Vが良いかも)
フィラメント電圧は7.5Vと低目の7.0Vでとります。
一応、750Vまで引いていますが、400Vを中心にしたロードラインではフルスイングで最大570V程度です。
【1本目】
Ef=7.5V, If=1.24A
Ep=400V
Eg=31.8V
Ip=23.11mA
rp=3479Ω
gm=2302μS
μ=8.0V/V
Ef=7.0V, If=1.16A
Ep=400V
Eg=31.7V
Ip=22.99mA
rp=3523Ω
gm=2281μS
μ=8.0V/V
【2本目】
Ef=7.5V, If=1.23A
Ep=400V
Eg=29.1V
Ip=23.01mA
rp=4240Ω
gm=1936μS
μ=8.2V/V
Ef=7.0V, If=1.16A
Ep=400V
Eg=28.7V
Ip=23.08mA
rp=4387Ω
gm=1875μS
μ=8.2V/V
2本目は1本目よりエミ減気味(Efを7.0Vに落とすとバイアスを結構浅くしないと23mAになりません。Ef7.5Vと7.0Vで同じIpになるEgの差が大きいほど疲れ気味と云えます)ですが、十二分に実用範囲内です。(Ipカーブは倒れず綺麗に伸びていますので)
固定バイアスで、電流に合わせてバイアス電圧を掛けているので2本それぞれかけ離れて見えますが、自己バイアスですともう少し寄ってくると思われます。
フィラメント電圧は...フィラメント電流1.25Aを信じるなら7.5Vが正しいと思います。
フィラメント電圧範囲+5%~-10%説にあてはめると、7.0Vでもまぁ大丈夫な範囲内だとは思います。
後日談:D404F203さんの情報によりますとこのVT25も7.0V指定だそうです
今回のRAYTHEON VT-25は、以前紹介したRAYTHEONの10という真空管とは異なる構造でした。
似ていません。違うからセーフです。