2023/10/20(金)21:39
GAという真空管
ARCTURUSのGAという真空管を紹介します。
不思議な名前です。
以前、6A4/LAという真空管を紹介しましたが、LA的な名前のつけかたですね。
GA以外に類似した球が無いです。
そして情報が殆どありません。
Radiomuseumの「GA」を見ると、
F-P-G1-G2-Fの並びです。
構造を見ると...
五極菅であることがわかります。
上側から見るとこのような感じです。
サプレッサーグリッド(G3)がフィラメント中点に接続されています。
DC点火では2.5Vのバイアスが掛かりますが、G3の電流はフィラメント電流に比べれば無視出来ますし0Vに限りなく近い値ですから大丈夫かと思います。
フィラメント点灯。
D404F03さんの情報によりますと、規格は以下の通りです。
Ef=5.0V, If=0.25A
Ep=180V, Eg2=180V
Eg1=-10V
Ip=35mA, Ig2=7.5mA
gm=2.0mA/V
rp=30kΩ
RL=7kΩ
Po=800mW(0.8W)
tubebooks.orgでも見つけました。
実際はどのような特性なのでしょう?
etracerで特性を測定してみましょう。
今回は五結と三結の両方を測ります。
何で両方測ったかは測定結果からお察しください..。(汗)
【1本目】
Ef=5.0V, If=0.26A
五結
Ep=180V, Eg2=180V
Eg1=9.3V
Ip=19.99mA
Ig2=4.43mA
rp=45181Ω
gm=2229μS
μ=100.7V/V
三結
Ep=180V
Eg1=9.3V
Ip+Ig2=19.96mA
Ig2=4.44mA
rp=3366Ω
gm=2339μS
μ=7.5V/V
【2本目】
Ef=5.0V, If=0.26A
五結
Ep=180V, Eg2=180V
Eg1=9.6V
Ip=20.20mA
Ig2=4.28mA
rp=42413Ω
gm=2355μS
μ=99.9V/V
三結
Ep=180V
Eg1=9.3V
Ip+Ig2=20.16mA
Ig2=4.27mA
rp=3284Ω
gm=2325μS
μ=7.6V/V
五結の7kΩ負荷では設計値に近い0.7Wが余裕で出ます。
しかし三結ではEg0VのIp特性がかなり高圧寄りで、振ってすぐEg0Vのところに当たってしまいます。最大出力0.15W程度で全く実用になりません。
もしEpが250Vまであって三結でもう少しrpが下がれば実用になったと思いますが、それではただ47に限りなく近くなってしまうだけなわけで。(笑)
互換性に乏しい球ですが、面白い真空管かと思います。