認知症サポート養成講座に参加しました
今日は、石狩市議会議員会主催による「認知症サポート要請講座」に参加しました。私事ですが、母も軽度の認知症を患っていることか興味深く講座を受けました。実際、高齢になるにつれ認知症を発症する確率は高くなるのは避けがたい事実でありますが、それでも、それを予防するための知識やご家族が発症した場合の対応など、非常に参考になる講座でした。皆さんも、受講されてはいかがでしょうか?今回の受講内容について、掻い摘みお知らせしたいと思いますので、ぜひ参考にして下さい。≪認知症とは≫認知症とは脳の病気である。色々な原因で脳の細胞が死んでしまったり働きが悪くなるため、もの忘れがひどくなったり、できていることができなくなったり、今までのような生活を送ることが難しくなってしまう。例:アルツハイマー病などの変性疾患(脳の細胞が死に脳全体が縮む) 脳血管性認知症 (血管が詰まり一部の細胞が死ぬ)≪認知症の症状≫脳の細胞が死ぬ ⇓ 1.中核症状 ○記憶障害 ○見当識障害 ○理解・判断力の障害 ○実行機能障害 など (性格素質)⇓(環境心理状態) 2.周辺・随伴症状 ○不安・焦燥 ○幻覚・妄想 ○興奮・暴力 ○うつ状態 ○徘徊 ○せん妄 ○不潔行為 など1.脳の細胞が死ぬことで現れる中核症状 (a)覚えられない、忘れてしまう(記憶障害) 新しいこと記憶できず、さっき見聞きしたことも忘れてしまいます。忘れていることにも気付かず、何度も同じことを言ったり聞いたりしますが、認知症の方にとっては、毎回はじめてきくことである。 例:「普通のもの忘れ」と「認知症のもの忘れ」の違い 普通のもの忘れ:食べた食事のメニューや約束の日時を思い出せない(正常な老化現象) 認知症のもの忘れ:食事したことや約束したこと、それ自体を忘れてしまう (b)日時・場所。人がわからない(見当識障害) 【時間や月日】 ○長時間待つとか、予定に合わせた行動が難しくなる。 ○もう少し進むと、日付や季節、年次および、何回も今日は何日かきく、季節感のない服を着る、自分の歳がわからないなどが起こる。 【場所】 ○自分がどこにいるかわからなくなり、道に迷ったり、夜の自宅のお手洗いが分からなくなったりする。 ○自分がいるところがどういう場所なのか分からなくなる。(自宅を他人の家のと思うなど) 【人】 ○自分の年齢や人の生死に関する記憶がなくなり、周囲の人との関係が分からなくなる。 ○たとえば、80歳の人が今30歳だといい、50歳の娘に対しお姉さんと呼んだりいする。 (c)ものを考えることの障害(理解・判断力の障害) ○考えるスピードが遅くなる ○2つ以上ことが重なると、うまく処理できなくなる。 ○予想外のことが起こったとき、うまく対応できなくなる。 「食べ過ぎてはいけない」という観念的な事柄と「目の前にある饅頭を食べてはいけない」といった具体的な行動が結びつかない。 ○しくみが目に見えない道具や新しい機械を使えない。(自動販売機、自動改札、ATM、全自動洗濯機、電磁調理器など) これらの対応として、 ○急がせずゆっくり待つ。 ○必要な話は簡単に一つ一つ伝える。 ○予想外のことが起こったとき、補い守ってくれる人がいると安心。 (d)計画を立て、段取りすることができなくなる(実行機能障害) 脳には、物事を順序良くすすめ、多少予定外のことがあっても、それに対処できる能力が備わっている。それが低下すると、計画を立て按配することができなくなる。 例:食事の支度では ○献立を考え→必要な材料を用意し→段取りに従って→複数の料理を同時に作るしかし、実行機能障害が起こると ○味噌汁を作ろうとし、家に油揚げがあるのにお店で油揚げを買う。 ○味噌汁を作るとき、油揚げのことをすっかり忘れ、冷蔵庫に油揚げが2つ残る。 ○ご飯を炊き、その他のおかずを同時に進行させることが困難になる。 (e)感情表現の変化 認知症による記憶障害、見当識障害、理解・判断の障害のため、周囲からの対応に正しい解釈ができなくなる。 例:その場の空気が読めず、突然怒り出したりするような事がある。 対処:慌てず、にこやかな表情で落ち着いて対応する。2.環境や周囲の接し方で変わる周囲・随伴症状 (a)自信を失い、すべてが面倒になり、元気がなくなる ・周囲が気付く前から本人はなんとなく「認知症ではないか」と気付いている。 ・これまでうまくいっていた料理がうまくできなくなったり、家族にも「味が違う」などと言われ自信を無くすこともある。 ・掃除や後片付けでも、片づけるつもりが散らかしてしまい、収拾がつかなくなったりする。 ・これからどうなるだろうと不安な気持ちになり、ぼんやりしたり、投げやりになったり、怒りっぽくなったり、ますます病気がすすんでしまう。 (b)身の回りのことに支障が起こってくる 認知症が進行すると、入浴、着替え、排泄、食事などに手助けが必要となります。 特に排泄の失敗は、本人にとってショックなことだが、周りの対応で本人のプライドを傷つけずにすむ。失敗の原因は一つではなく、その原因を探ることで対応の仕方も工夫でき、解決する場合もある。 【原因と対策】 ○トイレの場所がわからなくなる → トイレをわかりやすくする ○服の脱ぎ着に手間取り汚れる → 脱ぎ着しやすい衣服にする ○尿意・便意が感じにくくなる → 定期的にトイレに誘う (c)「物を盗まれた」と思い込む 記憶障害により、財布や預金通帳などの置き場所が分からなくなり、身近な家族などに盗まれたと思い込む「物盗られ妄想」が起こったりする。これは、もの忘れに、その人の性格や家族に迷惑をかけている状況が影響して起こる症状である。自分で見つけられるよう一緒に探して手助けしてあげるようことが重要である。また、周囲の人は過剰に深刻にならず、疑われた家族の心理的なサポートに心がけるようにする。●大切な早期診断・治療● 治る場合もある 認知症の原因となる病気の中には、早期に治療すれば治るものもある。そのような病気の場合、長く放置すると回復が不可能になることもあるので、早期の受診が大切である。また、薬の不適切な使用で、認知症のような症状がでる場合もあるが、この場合は薬をやめるか調整することで回復することがある。 認知症の種類によっては、薬で進行を緩やかにし、早く使い始めることで健康な時間を長くすることができるので、早期に専門医の受診をすすめる。●認知症の人と接するときの心構え● 「認知症の本人に自覚がない」は大きな間違い 認知症の方は、なんとなく自分がおかしいと感じている。「認知症になったのではないか」という不安はとても大きい。一番心細く苦しんでいるのは本人である。 「私は忘れていない」に隠された悲しみ 認知症の方は、ときに「私は忘れていない!」と言い張り、家族を困らせることがある。 それは、不安や悲しみ、やり場のない怒りから自分の心を守る反応の表れであり、そのことを知っておくことが大切である。 「かかわる人の心構え」 健康な人の心情が様々なように、認知症の人の心情も様々である。「認知症に人」だからと決めつけずに、認知症の方々がそれぞれ抱える不安や悲しみを感じとり、何に困っているかを見てとり、さりげなく、自然に手助けするのが一番である。終わりに●認知症サポーターとしてできること● 認知症サポーターとは、「認知症の人の応援者」である。 認知症サポーターは、「なにか」特別なことをするひとではありません。認知症について正しく理解し、偏見を持たず、認知症の人や家族に対して温かい目で見守る「応援者」です。 「なにかお手伝いできることはありませんか?」この一声で、認知症の方の心はぐっと和らぎます。また、介護家族には、「近所の人に迷惑をかけているのでは・・・」といった思いがあります。「大変ですね」の一言で、家族の気持ちは楽になるものです。 ひとりひとりがすべて違うように、対応は一様ではありません。 日ごろから自分たちには何ができるかを考えてみることが大切です。以上、長文になりましたが、もしかすると、自分の身内に思い当たる節がある方もいらっしゃるかもしれません。ぜひ、お気づきの際は、早めにお医者さんにかかることと、以上の点に気を付けていただけると幸いです。