カテゴリ:社会・経済・世界
電子機器や部品の技術開発に携わるビジネスマンは、クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』という書を知らないとなると、勉強が足りないとまで言われても仕方がない書です。
これに書いてあることがすべて是とうつもりはありません。 もしご存知ない、上記業界の仕事が関係する、興味あるという方は、一度、買われるか、アマゾンで立ち読みでもされてみてください。 私の身近なところで、その説の例をあげることにします。 パソコンの技術革新です。 技術は、時間とともに、高性能化へと移るのが普通の道筋で、メーカーは価格をできるだけ落とさずに、魅力を出して買ってもらい、利益を出し続けたい。 12万円のパソコンが、高速、小型などへと進化していきます。なぜか値段は上げられないばかりか、コスト削減し低価格化していかないと売れ続けません。 競争相手がいるから、あるいは買い替えするには性能と価格のバランスを消費者は考えるからでしょう。 こうした、まじめに高性能や小型化に取り組んで利益を増せないままやっていていくメーカーを、ある時突然、飲みこむ技術変化(ビジネスの変化)がやってきます。 この例では、タブレットPCです。 i-Padで代表される、薄型、簡易ネット閲覧通信ツールです。 パソコンより、容量や、CPUが小型化という低性能なので、安価でです。 安価であったり、簡単であることからも、これまでPCを使用していなかったユーザーを産みます。 小型化というメリットであるため、これまで不満を持っていたモバイラーを飲みこみます。 なぜこんなものが出てきたか? ビジネスの発想が違うところから発生したからともいえます。 パソコンには、一般ユーザーやネット閲覧だけユーザーには要らない、高性能が詰っているために、高価格になる、高重量が増すという贅肉があった、それをはぎとった。 あるいは、妥協の産物ともいえます。 何でもできるPCではなく、ネット閲覧に限定して機能や性能を減らした。 つまり、これまでのノートPCよりも明らかに低い技術水準の製品です。ところが、新たなユーザーにしてみれば、メリットが大きく、買うに値します。 新しい製品(技術)が出てくるということはこういうことで、 真面目に現行製品の性能UPをしていても、いずれ後から出てきたビジネス(技術)に飲み込まれる可能性があるというジレンマです。 ブラウン管TVやプラズマディスプレイを高性能化していてたが、 視野依存性や応答速度の悪い液晶に代わってしまいました。 一般ユーザーは、視野依存性や応答速度を妥協し、薄い、安い液晶を好んだからです。 (価格が下がった要因は、ここでは割愛) ミラーレス一眼なんてのも、この考え方が一部できます。 写りがよいという一眼レフでは、小型化ができなかったが、 ミラーというコンシューマ-には無用の長物を取り除くという(低技術レベルへの移行)によって、 小型化を実現し、 ミラーの着いた中途半端な高性能カメラ(軽量一眼レフ)を飲みこもうとしています。 はじめに、パナソニック+オリンパスが開発(というのか発想かw)し当たったので、今度は、ソニーをはじめ各社やってきました。 老舗のカメラメーカーからすれば、飽きれる技術です。性能を一つ取り除いてしまったのですから。 例には切りがないです。 音楽メディアの CD⇒MD⇒MP3 というのも、すべて低音質という次元へダウンしているにも関わらず、以前の高い音質の技術を飲みこんでいきます。 このような技術革新のしくみ、(現実)を知りながら、いかに、高い技術でありながら、売れる製品を開発する(闘う)かが、今後も日本を背負うことになるでしょう。 とことで、ご存知な方には、下手な説明でした。 お役に立てば幸いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.09.04 10:35:14
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