今が生死

2021/12/19(日)09:18

大坂のビル火災で24人死亡ー61歳男の放火疑い~その男の脳はどうなっていたのか

事件(139)

昨日12/17午前11時頃大阪北区の8階建てのビルで火災があり、4階の「西梅田心と体のクリニック」の従業員と患者さん24人が亡くなった。 放火犯と思われる61歳男性はクリニックの入り口付近でガソリンと思われる液体袋を暖房器具の前で蹴り倒して引火して火事になったと思われる。 クリニック内にいた人は入口付近で火の手が上がっているのでその火をくぐって入口に突進出来た人は少なく、殆どの人は火から遠い方に逃げてそこには非常階段がなかったので皆さん一酸化炭素中毒で亡くなってしまった。 恐らくお亡くなりになられたと思われる院長先生は夜10時頃まで診療をやっておられた使命感に燃えた人望厚い先生だったとのことである。思いやりのあるいい先生で恨みを買うような先生ではなかったとのことだが院長の父親(78歳)の話では「息子(院長)は失業保険のための診断書を書いてくれと頼まれることが多かったが多忙で断ることが多かった」とのことである。犯人と思しき男は診断書を書いてくれなかったことに対して腹いせに火をつけたのかもしれない。 もしそうだとすれば腹いせで一瞬にこんなにも大勢の命を奪ったこの男の脳はどうなっていたのであろうか? 今日の新聞に新潟脳外科病院副院長の宮川照夫さんが脳について解説していた。脳は全身の器官と連携しながら生命活動全般を支えており、脳がなければ生きていけない。その働きの中核となるのが860億とも言われる神経細胞(ニューロン)でその細胞一つから数千から数万の軸索が伸びておりそれが繋がったり離れたりしてネットワークを形成している。 そのネットワークはダイナミックに変化して、複雑に絡み合い、膨大な情報を記憶したり、その情報を基に深く物事を考えたり感情を持ったりすることが出来る。 そのネットワークを介して人間は一日に6万回も思考するとされ自分の意思には無関係に思考や感情が湧いてきてそれらに翻弄されてしまえば自分が本当に目指したい人生を歩めないばかりか、感情のままに人を殺めしまうなどのとりかえしのできないことをしてしまうかもしれない。 この61歳男性は感情に翻弄されてそれから先の事に思いが至らず、取り返しのできない大事件を起こしてしまった。 人間の脳は1日に何万回も考えを巡らすとのことだが、何か決行しようと思う時にはそれを決行した後どうなるか十分思いを巡らせてもらいたい。何人もの方が火に襲われ亡くなるかもしれない。さらに自分は死刑か無期懲役になることと今感情のままに火をつけることの比較を思ひ巡らせてもらいたかった。かっとなった時は他の思考がストップしてしまうことがあり、普段から思考訓練していない人はこのような大穴に落ちてしまうことがある。 誰にもある何百億という無限に近い神経細胞をよい方向に働かせられるように日々の生活を充実させていくことが大切でそれには個々人の自覚は勿論社会的にも連携して行くことが重要である。 宮川さんは個々人の脳内では億単位のネットワークが構築されているがこれは他の人の脳とも連携しており、心をつなげていく大切さも述べていた。 今回の事件は非常に痛ましい事件で犠牲者の方々には心から追悼の意を捧げつつ、それと同時に二度とこのようなことを起こさないためにも脳と脳との良いつながりの構築が必要だと思った。

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