ディスカバリー 3
さて、1週間前。日曜日。U-14交流大会、ジュニアのトレーニングマッチの後の日程。場所はリバーサイドのサッカー場。小学4年生から高校1年生までの選手が集まって、トレーニングを行ないました。ずーっと、ずーっと温めていた構想です。わたしが以前所属していたクラブにいたときから「こういう取り組みをしたい」と想っていた取り組みです。カテゴリーを超えたトレーニングを行なうことで、多くの発見があるのでは?小学生と高校生のマッチアップ。小学生と中学生のマッチアップ。中学生と高校生のマッチアップ。想像するだけで、何かが起こりそうな気がしませんか。ジュニア、U-15、U-18と各カテゴリーの活動が可能になったからこそ、開催できる企画なのですね。INAC多摩川というチームだからこそ開催できるものでもあるのですね。まず、大切なことは各カテゴリーの日頃の活動がベースにあること。その活動のベースがスキルアップであること。わたしはこの日、頭の中で常にこのメンバーでのトレーニングの時間をイメージしていました。小学生が萎縮して終わるなら成功とはいえないし、それは中・高校生にもいえること。参加メンバーは毎回違うメンバーで行なう予定です。もちろん、メンバーによってトレーニングの内容も変化します。軸となるのは、「カテゴリーを超える」という点なのです。メンバーによっては質を求めるトレーニングも可能でしょうし、コミュニケーション中心でも全く構わない。さて、初めての試み。参加者は19名。不安と期待の中で集合。集合した時点で思ったことは、「ものすごく選手が楽しみにしている」ということ。この時点で設定が間違わなければ充実すると確信しました。まずはボールを使うことがリラックスにもなるし集中力を高めるだろうと、あえて名前を覚えるようトレーニングからは入りませんでした。ドリブルと遊びの要素があるトレーニングの中で、ものすごい意欲で取り組んでくれました。「あー、これは何でも行けるな」、わたしはその取り組みを見てそう思いました。そしてチームを2チームに分け、ボールを使ったコミュニケーショントレーニング。高校生が小学生に圧倒される(弄ばれる?)ような風景を見ていたら、「これこれ!」と思わずニヤニヤしてしまう場面が続出です。ひとつだけ、真剣なトレーニングを入れました。「よく観て、判断する」トレーニング。運動能力ではなくて、判断力なので、身長差も体力差も問題なし。ここまで30分ほど。大事なことはお互いが繋がることと、集中力を高めることだったのですぐに試合に移行です。試合の条件設定。ジュニア選手はフリータッチ。U-15・U-18選手はツータッチ以内。「真剣な遊び」となりました。果敢にドリブル勝負を挑むジュニア。それを受け止めるU-15。全体をまとめるU-18。どの局面も発見ばかり。わたし最後の仕掛け。後半スタート前にひと言。「後半の10分で今日は終わりね!」。「いやっ、全然やれるよ」「あと30分やろうよ」「終わるの、早過ぎない?」これらのコメントはひとりではなく、全員の意見。ジュニアからU-18までの全員の意見でした。この時間が苦痛だったならば、こんな意見は出ないでしょうね。元々20分ほど続けるつもりだったのです。彼らの本音を知りたかったのです。わたしの表情が、ニヤリッ☆だったことは言うまでもありません。クラブ初めての試み。しかし、クラブの軸が見えてくるような取り組み。今回はご父母のみなさまのご理解とご協力、そして選手の熱意で密度濃いまま終了しました。ありがとうございました。