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すごいものを見た。恒例の,新宿歌舞伎町ロフトプラスワンでの「新耳」怪談イベントである。いやー,今回も行ってよかった。眼福眼福。
「幻灯紙芝居」も楽しかったが,音源の修復が間に合えば流されるかもしれないという次回の「妖怪談義」に期待。 今回は,左脚骨折中のカーター卿が,久しぶりに参加された--松葉杖つきで。もう一人は,これも常連のnajaさん。najaさんが,これまた常連の「と学会」の人に録音を頼まれていたため(今回はSF大会と重なってしまって来られなかったそうな)3人並んでかぶりつきに座席をとったが,後半,3人とも最前列でこっくりこっくりやってしまった。 夏というのは寝てしまう人が多いようで,今回は途中でドタンと大きな音を立てて椅子から転げ落ちた人もいた。najaさんなどは,終了後に出口前で行列しているときに,主催のKさんに「退屈させてすみませんでした」と声をかけられていたが--やっぱり気になってたんだなあ,Kさん。卿に最初にお誘いを受けてから,najaさんはもう何度もこの会に参加しているし,前に『新耳』幻の第1巻にサインをいただきに行っているし,Kさんは女性には特に目ざとい人だから(笑),顔もとっくにおぼえられているだろう。ごめんなさい,Kさん,最前列に座ったら,意地でも起きてるのがマナーというものでしたね。 声をかけられたといえば,舞台開始時に,najaさんと僕は,najaさん持参の動物パペット(ネコとトラ)をはめて舞台に向けていたのだが,Kさん,しっかりイジってくれた。 「かわいいねえ,それ。何,その動物」 「ネコとトラです」(najaさん) 「ほう,ネコとトラ。一応同じケモノ同士ということで,あとでご対面させてください」 ……というようなやりとりだった,かな。 最前列だから,声もよく届く。○○○を見て,小声で「カワイー」と声を挙げたnajaさん,「今カワイーと言ったあなた,ちょっと感覚おかしいかも」とツッコまれていた。 僕はと言えば,Kさんが○○○を包んでいたという戦前のジバンシーの毛布を広げてみせたときに,たまたま最前列でカメラ携帯をかまえていたために,「ほんとに撮るんかい」と突っ込まれたが,あれは僕じゃないぞ。誰か後ろの方の席の人がシャッターを押してフラッシュが光ったのである。 後で順番に前に出て,○○○にさわらせてもらい,そのときにアップ写真も撮れたのだが,いざ撮る段になって,逆光であることに気づいた。顔のアップ写真は,そんなわけで真っ黒くつぶれてしまっている。ううう,次はちゃんとライトをつけてとらなくては。 終了後,いつものように,3人で西口のウェンディーズでダベってから解散。 「新耳」はいつも土曜深夜から日曜の朝までなのだが,日曜の朝といえば,原宿の東郷神社で骨董市がある。ひやかすつもりはなくても,通り道なので,ついつい商品を眺めてしまう。 象牙の水牛。ふむむ,根付(ねつけ)好きな卿の快気祝いにいいかも。 「これは根付ですか」 「そう,根付です」 「材質は何ですか?」 「あ,象牙ですね」 「ああ,やっぱり。これでおいくらでしょう」 「○×□円」 ……カーター卿,ゴメンナサイ。今の僕にはちょっと無理。 「……象牙だからね,今はそんなもん。禁止されてるから。前はもっと高かった」 おっちゃん,ちょっと中国訛りがある。 「……こっちは文鎮ですか」 「そう,えー,文鎮にもなる」 置き物らしい。 「これは何の形ですか」ニガウリっぽいのだが。沖縄のゴーヤが有名だが,本土でも(ツル)レイシといって,昔から食べられてきた作物だ。 「あー,そういう野菜ね」日本語の名前がわからないらしい。見た目,ハリネズミっぽくて,なかなかそそられる。 「これでおいくらですか」 「それはねえ,玉(ぎょく)だし,そんなに高くはない。えーと,×○△円」 骨董品に値札はない。売り手は客の顔を見て値段を言う。ここで僕が「えー,おっちゃん,でもこことか,けっこう欠けとるやん。ちょっと高いんちゃうの?」とか言えば値引き交渉が始まるのだが(いや,関西弁になる必要はないんだけどね),ちょっと今の僕には厳しい額なのでやめておく。ハリネズミそのものだったら見過ごしにはできないけど,幸い,そんな骨董品はまず存在しない。 「これはいい玉ですよ。色も濃いし。文鎮にもなるし」それはもうええて。それにおっちゃん,トゲがボロボロ欠けとるがな。 「うーん,今ちょっと手持ちないんで,また来ます」 「そうですか。ではまたね」 ほかの店ではもっと安い木製の牛の根付も見つけたが,こちらはなんだか,彫りが安っぽい気がする。それに,牛は卿の専売特許というわけではないので…… 河童か胡瓜でもあれば即買いなんだけどな。また懐に余裕があるときに覗いてみよう。 昼下がりまで休んで,予定どおり川崎市民ミュージアムに行こうとする。が,途中でどうがんばっても間に合わないことを悟り,諦める。日曜でも閉館5時,入場4時半までって,早すぎるなあ--べつに早くはないか。まあ行き方がわかったのは立派な成果で,この次に生かせる。 五十嵐大介『リトル・フォレスト』1巻発売。この人,ほんとに山奥の農村で暮らしているのだなあ。真夏に湿気を抜くためにストーブをたいてその余熱でパンを焼いたり,モンシロチョウをパンとたたいて殺したり,そのへんに生えている山ウドやミントを採ってきて朝食のおかずにしたり。今までになかった漫画だ。 登場人物の一人,都会から戻ってきたのっぽの青年が,日雇い仕事をしながら訥々と語る言葉が,何だか耳に痛かった。 「なんか小森とあっちじゃ話されてるコトバが違うんだよ 方言とかいうことじゃなくて。 自分自身の体でさ 実際にやったことと その中で自分が感じた事 考えた事 自分の責任で話せる事ってそれだけだろう? そういう事をたくさん持っている人を尊敬するだろ。信用もする。 なにもした事がないくせになんでも知ってるつもりで 他人が作ったものを右から左に移してるだけの人間ほど いばってる。薄っぺらな人間のカラッポな言葉をきかされるのにウンザリした。」 うむむむむ。痛いなあ,もう。 余白ページの落書きに,「スイカやメロン・トウモトコシが食害にあうと 決まって名前が挙がるのが『ムジナ』『マミ』『カラス』。『カラス』はともかく『ムジナ』と『マミ』がよくわからなくて ばあちゃん達に話を聞いていると おそらく『ムジナ』はアナグマのことらしい。『マミ』はテンだろうか。でも人によっては説明が逆だったりするので やっぱりよくわからない」とあって,アナグマの絵が描いてある。 マミは普通ならばタヌキのことだろうが(六本木の地名「狸穴(まみあな)」は有名だ),タヌキとムジナのややこしさも有名で,地方によっては「タヌキ」というのがアナグマのことだったりする。禁じられているタヌキをタヌキと知りつつ殺した,いや違う,というのがこじれて起こった,ムジナ裁判というのまであったはずだ。「週刊天然記念物」では,タヌキ汁がうまいともまずいとも言われてはっきりしないのは,タヌキとアナグマの一方は美味だが他方がまずいからだ,と説明されていた。なるほどねえ。 そういえば,先日「HOWDY!!」のダイアリーで紹介されていた動物本にも,英国のアナグマが描かれていたなあ。 外苑前リブロで,『風雲児たち』のワイド版をさらに2冊購入。田沼意次,えらい人だったのだなあ。この店は『風雲児たち』が売れて欠巻が出ると必ず補充してくれるのがありがたい。1年で20巻全巻,そろえてしまうかも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年08月23日 23時15分25秒
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