ブログに書いておこう

これからの話しは、まったくのド素人の私がバレエの舞台に立ったドキュメンタリーの第３話です

第１話はこちらから　お父さんのバレエ発表会Vol.１「バレエ発表会、出演のオファー」
第２話はこちらから　お父さんのバレエ発表会Vol.2「バレエ発表会、はじめてのレッスン」

バレエ発表会当日「リハーサル編」

いよいよその日は、来ました。バレエ発表会当日
メイク、リハーサル等々があるので会場には、午前９時入り（開演は、午後４時）会場入りして、約10時間の父と家族の緊張の時間が始まった

「おはよう」「おはよう」といつもの朝の挨拶で始まったが、どうも父本人は、当然のことながら、何故か家族たちの顔にも「き・ん・ち・ょ・う」の色が見え、顔色がよくない・・・

父   「みんなもこれだけ、バレエの発表会出ているのに緊張するんだー」

家族「普通はそうだけど、今日の嫌な緊張は、パパが原因！」との返事。

相当、父が夫のことが心配らしい。まさに「しあわせ家族計画」・・・

会場までは車で。車の中は、父の「いやだな～、いやだな～」のため息まじりの情けない声とオーディオから聞こえる誰かの歌だけで、家族は誰もしゃべらないまま、会場に到着

会場係の方に、楽屋の場所を尋ねると名前を聞かれ、係の方から「楽楽天天1.0先生ですか、息子さんと、男性ダンサーの楽屋の方にお願いします」と案内された。

父親がバレエの先生と言われていた時の、長女と長男の顔が思いっきり笑っていた妻はこけそうだった・・・我が家の女性バレリーナたちは、別の楽屋へ案内されて行った。

楽屋に行くと、もうすでに本物のダンサー先生がウォーミングアップを始めている。とても感じの良いダンサー先生で家族とは顔見知り、父はレッスンの時に、一度お会いしただけでほとんど初対面なので挨拶をして、ド素人だということを強調

Ｙシャツ、ネクタイ、ベスト、白タイツ、ニッカポッカ着用、しばらくすると妻が、我々の楽屋に来てメイクをしてくれる。どうも老人は難しく、本物のダンサー先生も協力してくれてフィニッシュのシワを描いてもらい、付け髭をつけてコッペリウスの完成

何故だか、メイクをしたらとても自信が出てきて、これだけ練習もしたし、少々余裕。でも、当然落とし穴が・・・

長男は、自分のことよりも父が心配で「リハーサルの順番が来たら楽屋にスタッフの人が呼びに来てくれるから、そうしたら舞台に行って袖で待機しているんだよ。そこからは、先生がマイクで指示をだすからね・・・」

父「はい、わかりました」。少々余裕の返事・・・

家族たちは、慣れたもんで第１部の小品集の出演で、なんなくリハーサル終了

第２部の「コッペリア」の父親のリハーサルの順番

けっこう順調と思いきや逃げる子供たちを捕まえる場面、なんと逃げる子供たちの逃げ方が今までのレッスンの時とは違っている、なんで

どうも、舞台が広いのでスタジオの動きでは小さすぎるらしく急遽、変更になっているらしい。もう頭は真っ白、動けず、何も出来ず、呆然と立ち尽くし音だけが進んでしまう

そして、音が止まり、マイクで主宰から「楽楽天天1.0先生、出が遅いですよ。子供の動きと音をしっかりとってください・・・」

私もすかさず舞台から「もう一度、今の所からリハーサルお願いします」

主宰「もう時間がありません、次にいきます。進んでください」

げっ　何だよ～。もう一回リハーサルやらしてくれよ。お願いだから友人だろ

そのまま進行、そしてコッペリアのエンディング、妻がぴったりそばにいてくれて、舞台に出るキッカケを出してくれる。簡単な踊りをズレながら踊って、ここまでのリハーサル終了

結局、このようなありさまで、本当にぶっつけ本番になった。子供たちの動き、子供たちの動き・・・人生最大のピンチというぐらい冷や汗

しかし、主宰も勇気があるな、というより気になることが他にもあり頭や手が回らないらしい　

楽屋前、忙しそうにしている主宰「パパ期待してるね！　パパのことは心配してない、できるよ」って

なんじゃい・・・

フィナーレのコーダでやっと家族たちと同じ舞台に立てるのが楽しみなのにテンションがすっかりダウン

子供たちの動き、子供たちの動き頭がいっぱいで、さっきの余裕はどこへやら・・・

ゲスト用豪華弁当もノドが通らない
長男は、横で父を気にしつつ、「ちゃんと食べないと、力が出ないし。食べた方がいいよ」

本物のダンサー先生「おとうさん、まだ本番まで先が長いので食べておいた方がいいですよ」

父「はい、もう少しだけいただきます」

うっ、背中が痛い、余裕どころか緊張で少々の筋肉とたっぷりの贅肉が硬直し、凝ってきた

残るリハーサルは、フィナーレのコーダだけ

家族は先に舞台に出てしまうので、私の出るキッカケを主宰の友人でもあり、妻の友人でもある舞台スタッフにお願いし、「はい、パパここで！」と背中を押してもらい舞台へ

私は普通に舞台に歩いていき、客席に一礼して最前列に立つ。次に、本物のバレリーナと本物のダンサー先生達がカッコよく踊って、やはり最前列に並んで立つ。最後にもう一度、客席に挨拶をして幕が下り、終了

こうして、逃げる子供たちの動きに不安を残し、リハーサルはすべて終わった

あと１時間ほどでバレエ発表会本番

冗談ではなく、この数時間で父の頬はこけた

つ・づ・く

一気に本番までと思ったのですが、あまりにも長いのでバレエ発表会「本番編」にて完結したいと思います。もう１話だけお付き合いください。
ここまで、本当に読んでくだってありがとうございます