ブラッシュ・ノアゼットの香り
(早朝の香りが素晴らしい)オールドローズが一番好きである。なかでもイギリスの片田舎にさりげなく咲いているようなノアゼット系。風景の一部に溶け込んでいるかのようなその佇まい。たとえばブラッシュ・ノアゼットさん。この花のような女性になりたいのです。見た目の豪華さや美しさだけなら、他に数々あれど。バラの中では、どちらかといえば控えめな方。けれども傍にそっと寄ってみれば、ふわっと漂うその芳香は隠しようもない。ダマスク香でもミルラ香でもなく、はたまたフルーツ香でもなくましてティー系の香でもない。モノの本によれば「スパイシーな香り」との表現もあるが、どうもしっくり来ない。初めてこの子の香りに触れたときはるか遠い昔、草むらに寝転がったとき、どこかでかいだような…不思議と懐かしい想いに駆られた。一瞬にして幼い頃の記憶がふわっと蘇るようで、たちまち魅了された。あえていうなれば『ノスタルジー香』とでも言おうか。久々の風たん登場 (トーストのバターちょうだい、のポーズ)